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(2) 858-864

858 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/14(水) 23:38:34.48 0
 
「まだかなぁ…」

里沙は教室で一人待っていた。
友達も誰もいない教室。もちろん愛斗もいない。
愛斗は今部活中だ。

「…おっそーい」

特に約束をしていた訳でもないのに、里沙は愛斗を待っている。
時計は5時をまわった。もうそろそろ来るだろうか。

「また誰かと喋ってんのかな。あーあ、メールしとけばよかったぁ…」

ていうか帰った方がよかったかな。里沙は少し後悔すらし始める。
家だって隣なのだから、会おうと思えばいくらでも会えるのに。
どうして、それまで待てなかったのか。

「…別に、気にしてなんかないし」

今日、用事で3年生の校舎に行った時、先輩と思われる人達が話しているのを聞いてしまった。
聞くつもりはなかったが、会話の途中で「愛斗」の名前が聞こえた時、
里沙の耳には嫌でもその会話が聞こえてきた。

『ちょーかわいいんだよね。告白しよっかな』
『しちゃえ、しちゃえ』
『でもフラれたら最悪じゃん』
『だいじょぶだって。いけるいける』


859 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/14(水) 23:38:59.40 0
 
どうやら愛斗のことが好きらしい。
その先輩はとても綺麗な人で大人っぽく学校でも有名で、とにかく自分とは大違いな人だった。

「…いいもーんだ」

嘘。本当はよくない。出来れば告白なんてしないで欲しい。
きっと大丈夫だって、分かってるけど。

「あれ、ガキさん?」

ふいに教室のドアが開く。
部活が終わった愛斗が鞄を取りに来たのだ。

「何してんの?」
「…待ってたの」
「ずっと?」
「…そうだよ」
「言ってくれれば良かったのに」
「…そうしようかとも思ったんだけどさ」

ま、いいじゃん。と言って里沙は鞄を持って帰ろうとする。
愛斗も急いで準備をして里沙を追いかけた。

「…何かあったの?」
「なんで?」
「いつものガキさんじゃない」

里沙の異変に気付いた愛斗は里沙の手を取って自分の方へ向かせる。
いつもと様子の違う里沙に、愛斗は真剣な顔で問う。



861 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/14(水) 23:39:24.82 0
 
「どーしたの」
「…なんでもないから」

聞けば聞くほど里沙は突き放すような態度を取る。
何か怒らせてしまったのかと、考えてみるが心当たりがない。
仮に怒っていたとするなら、どうして自分の帰りを待っていたんだろうか。
まったく理由が分からないけど、放っておけるはずがない。

「ちょっ…」

愛斗は里沙を抱き締めた。
どうせ誰もいないし、たとえ誰かいたとしても構わない。
里沙より優先する人なんていないのだから。

「俺、なんかした?」
「…してないよ」
「じゃあどうしてそんなに元気ないの?」
「……」

愛斗が聞くと、里沙はついに黙ってしまった。
けど抱き締められた腕に力が入っている。
しばらくそのままでいたが、愛斗は里沙の顔を覗き込もうとした。
だが、里沙に顔を隠すように強く抱きつかれてしまい、顔が見れなかった。

「ガキ、さん?…」
「…もぉヤダ…」
「え?」
「こんなんじゃ愛斗と付き合っていけないよ…」


862 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/14(水) 23:39:50.64 0
 
涙声が愛斗の耳に響く。
突然のことにびっくりした愛斗は強引に里沙を引き剥がして顔を見た。
里沙の目には今にも零れそうなほどの涙が浮かんでいた。

「ちょっ…え、なんで?どーしたんだよ!?」

訳が分からない愛斗はつい大声で里沙に訊ねる。
里沙は首を横に振るだけで何も言わない。

「…何があったの?」

再び里沙を抱き締めて、今度は出来るだけ優しい声で訊ねる。
髪を撫でて、背中をトントンと叩く。

「……あのね」

里沙が口を開いた。
それと同時に愛斗の背中に回された腕に力が篭る。
愛斗は黙って里沙を抱き締め返した。

「…今日、先輩が愛斗の話してたの」
「うん、で?」
「好きなんだって。…愛斗のことが」
「…それだけ?」
「告白、するみたいだよ?」
「そんなの、断るから」
「……すっごい綺麗でかわいい人だった」
「俺はガキさん以外興味ないよ」
「…そんなの分かんないじゃん…」


863 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/14(水) 23:40:33.57 0
 
自分は愛されていると分かっていても、不安になる時だって当然ある。
ましてや自分より遥かに魅力的な人がいたら尚更だ。
愛斗の側にいる人間が本当に自分で良いのか、里沙は分からなくなる。
好きだと言ってくれているのに、どうしようもなく不安になる。

「好きだよ」
「…愛斗?」
「俺が好きなのは、ガキさんだけだ」
「……」
「他の女なんてどうでもいい」
「……」
「だからそんなに心配すんな」
「…うん」

優しい愛斗の声に、里沙は泣いてしまった。
さっきまでの不安が嘘のように消えて、涙となって零れ落ちていく。
愛斗はそれを指で優しく拭った。

「泣くなよ」
「…だってぇ」
「不安だったんだ?」
「うん…」
「ごめんな。不安にさせて」
「ううん、あたしが勝手に不安になってただけだから…」


864 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/14(水) 23:40:53.92 0
ごめんなさい、と里沙は愛斗に言った。
愛斗は笑顔で里沙を抱き締める。
そのまま顔を近づけて唇を合わせた。
何度も何度も唇を合わせる。里沙が不安にならないように。
里沙もそれに答えるように唇を合わせた。

「愛斗ぉ」
「ん?」
「…好きだよ」
「俺も。俺もガキさんが好き」
「…知ってるよ、そんなの」
「さっきまで不安で泣いてたくせに」
「もう不安じゃないもん」
「お、言ったなぁ」
「言ったよ?」
「もっと自信持っていいよ。俺はガキさんだけのものだから」
「…うん」
「俺、札でも付けておこうかな。新垣里沙の彼氏ですって」
「えぇ?ヤダそんなの」
「そしたら誰もそんな事言ってこないじゃん」
「…でもそれ、あたしまで恥ずかしいんですけど」
「じゃどーしよっか」
「別に何もしなくていいから…」
「わかった、毎日好きって言ってガキさんにちゅーする!」
「えぇ!?ほんとに?」
「うん。だからガキさんも俺に好きって言ってちゅーしなきゃダメだよ」
「なんであたしまでしなきゃなんないのよぉ」
「よし、決まりな。今日からだぞ」
「え、うっそ。ほんとに?」


―おしまい―
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イケメン・タカスレの小説まとめです
てけとーです
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