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(4) 608-616

>>566-572


608 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/31(土) 10:16:32.99 0
自宅に戻った里沙は、母親に愛斗が来ても絶対に通すなときつく言ってから、自分の部屋に駆け込んだ。

ドアを閉め、愛斗から借りた辞書を胸に抱えたまま、ずるずるとドア伝いにしゃがみ込む。

耳のうしろに愛斗の息遣いがまだ残っているようでカラダが竦む。
今まで感じたことのないものがカラダを滑り落ちた感覚も思い出されて鳥肌が立った。

思い出すだけで怖さが募る。
愛斗が愛斗じゃないみたいだった。

しゃがみ込んだまま膝頭に額を当てたとき、玄関のチャイムが鳴った。


思わず頭を上げた里沙の耳に、対応に出た母親の声と愛斗の声が聞こえてくる。

通すな、とは言ったが、里沙の母親は小さい頃から愛斗にはベタ甘なので、
里沙の頼みが叶う見込みはもとより低かった。

609 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/31(土) 10:16:44.21 0
すぐに階段を駆け上ってくる足音がして、けれど里沙の部屋の前でその足音が急に静かになって。

弱々しく、里沙がもたれているドアの向こうからノックされる。

「…ガキさん、ごめん、オレ…」
「……帰ってよ」
「ガキさん…」

愛斗が悪いわけじゃない。
里沙だって本当はわかっている。

どんなに可愛らしい外見をしていても愛斗はれっきとした男で、
拗ねたり甘えたりしても、いつだってどんなときだって、いざというときは全力で里沙を守ってくれる。

抱きしめられた腕のチカラを振り解けなかったことが怖かったんじゃない。
いつもと違うことをされたことがイヤだったわけでもない。

ただ、思っていた以上に愛斗が男だったことが、里沙を怯えさせたのだ。

610 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/31(土) 10:16:56.00 0
「……オレのこと、キライになっちゃった?」

思いもしなかった言葉が聞こえて、里沙は咄嗟にドアに振り向いた。

ドア一枚隔てていても、声色の弱さから愛斗の表情が想像できる。
きっと眉をハの字に下げて、拗ねてるみたいに唇のカタチを歪めて項垂れているに違いない。

「もし…、もしそうならオレ…」

語尾も弱々しく掠れて聞き取りにくくなる。

「…ガキさんがオレのことキライになっちゃったとしても、でも、ちゃんと謝らせてよ」

なのに、その言葉と決意の強さに心が揺れる。

「さっきのこと、まだちゃんと謝ってない。ちゃんとガキさんの顔見て謝りたい。
 キライになっちゃったんなら、そのあとでオレのこと振ってよ。 
 でもオレはまだガキさんのこと好きだから、世界で一番好きだから。
 振られたって何したって、迷惑だって言われたって、何回だってまたコクるから。
 何百回でも好きだって言うから。また好きになってもらえるまで、何万回だって」

愛斗の声が届くたび、里沙の心が震える。
その声の優しさと強さと真摯さに心が応えて涙が出る。

611 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/31(土) 10:17:13.97 0
さっき、愛斗に抱きしめられながら怖くて流したものとはまるで違う涙が里沙の頬を伝い落ちて、
それをそっと拭いながら里沙は静かに立ち上がった。

辞書を抱えたままドアを開けると、まさか開くとは思ってなかったのか、
愛斗が大きく目を見開いて一歩下がる。

「ガキさん…」
「……キライになんか、なってない…」

ぽつりとそれだけ言ってすぐに背を向けて部屋の奥へと引っ込む。
ドアを開けたままでいたから、愛斗も里沙を追って部屋の中へと入ってきた。
けれど、ドアを後ろ手で閉じただけで、机のほうまで移動した里沙のもとまでは近付いてこない。
抱えていた辞書を置き、里沙もそのまま立ち尽くす。

「…あの、ガキさん……」
「ん…」
「ホントに、キライになってない?」
「……なってないよ」
「でも、怒ってる」
「怒ってなんか…」
「だって、オレのこと見ないし」

顔を見せて欲しいと言われているのはわかったけれど、
今の自分がどんな顔をしているのかわからなくて振り向けない。

613 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/31(土) 10:17:53.98 0
身動きせずにいた里沙をどう解釈したのか、里沙の背後で愛斗が細く息を吐き出す。

「…そっち行っていい?」

答えに迷って答えられずにいたら、ゆっくりと歩み寄ってくるのが空気の流れでわかった。

里沙のすぐ隣まで近付いてきた愛斗がそっと里沙の手を掴む。
まさか触れてくるとは思わず、咄嗟にカラダを震わせた里沙だったけれど、
愛斗はためらいを窺わせながらも掴んだ手に少しだけチカラをこめた。

「…ごめん、怖がらせるつもりじゃなかったんだ。
 今日はもう会えないと思ってたから、嬉しくて、抑え効かなくなった」

顔を見ることは出来なくても、今の愛斗がどれほど真剣な顔付きで里沙を見ているのかがわかる。

「ガキさんがイヤなら、もうあんなことしない。二度としない」

声と、里沙の手を掴む手のチカラの真摯さに里沙の心臓が大きく跳ね上がる。
しない、と言ったら、愛斗は本当にそうするだろう。
でも、それは里沙が本当に望むことではなかった。

614 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/31(土) 10:18:07.63 0
「……それは…やだ」
「え?」

掴まれた手とは別の手で今度は里沙が愛斗の手を掴むと、
里沙のほうから触れてくるとは思わなかったらしい愛斗のカラダが揺れる。

「……さっきみたいなのは…まだちょっと怖い…けど…、でも」

ドキドキと息苦しくなるほどに心臓が高鳴っている。
その音を聞かれたら、と思うと恥ずかしかったけれど、
もしも愛斗の耳に届いたとしたら、ちゃんとわかってもらえるかも知れないとも思った。

「……愛斗に、触ってもらえないのは、もっとやだ…」

顔から火が出そうになって、それを隠すように里沙のほうから愛斗の胸に飛び込む。

抱きつかれた愛斗は思わずカラダを強張らせたけれど、
自分から愛斗の胸に飛び込んでおきながらまだどこか震えている里沙にたまらなくなって、
そっとそっと、包み込むように里沙を抱きしめた。

615 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/31(土) 10:18:19.16 0
「……ガキさん…」

里沙の耳元に囁くように呼ぶと、愛斗の腕の中で里沙のカラダからゆっくりと緊張がほどけていくのがわかった。

「……オレのこと、キライになったんじゃない?」
「…なってないよ」
「…ホント?」

試すような言葉にも聞こえたけれど、不安の滲む声色が里沙を少しだけ落ち着かせる。

愛斗がしたように、里沙もそっとそっと、愛斗の背に自分の腕をまわすと、
それがわかったのか、里沙を抱きしめる腕のチカラから緊張がゆるんでいくのが伝わってきた。

616 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/31(土) 10:18:34.72 0
「さっきはごめん…」
「…もぉいい」
「オレ、マジでガキさんのことがめちゃくちゃ好きだ」
「…うん、あたしも…」
「大事にする。マジで」
「うん…」

里沙を抱きしめながら上体を少し離した愛斗が里沙の額に自分の額を押し当てる。
至近距離で見つめてきた愛斗に、その優しい目の色に、里沙の中でまた愛斗への気持ちが膨らむ。

とっくに知っていたことなのに、改めて想いが通じ合った気分になってだんだん嬉しくなる。
愛斗を好きになってよかったと、素直に思えた。

「好きだよ、ガキさん」
「…あたしも、好き…」

愛斗の口元が柔らかく綻んで、そのまま額に口付けされる。
次にどうしてほしいかを伝えるように、里沙はゆっくり瞼を下ろした。
今度はさっきのように怯えることなく、ほんの少しの期待と緊張を残したまま。




おわれ
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| 愛斗×ガキさん | 11:20 │Comment- | Trackback-│編集

(4) 566-572

566 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/30(金) 19:12:32.15 0
「愛斗ー?」

ノックと同時に部屋を開ける。
それはもう昔からのクセで、本来の住人も、突然の来訪者に対してさほど驚いたりはしない。

ベッドで仰向けになってマンガを読んでいた愛斗が、里沙の登場に途端に笑顔になって飛び起きた。

「なになに? 急にオレの顔でも見たくなって会いにきたの?」

はしゃいだようすでベッドの縁に座り、里沙を見上げる愛斗に里沙は肩を竦める。

「バーカ」
「ひでー」
「そんなことより辞書貸してくれない?」
「へ? 辞書?」
「うん、英和辞典。宿題しようと思ったんだけど、学校に忘れてきちゃって」
「あー、いいよ、机の上にある」
「ありがと」

愛斗が差した先にあった英和辞典を持って一息つく。
これで宿題忘れは免れそうだ。

567 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/30(金) 19:12:43.84 0
「ちょっと借りてくねー」

そのまま部屋を出ようしたときだった。

「ちょ、待てよ」

辞書を持ったほうとは別の手を捕まれ引っぱられる。

強くではなかったが、予測してなかったせいでバランスを崩しかけ、後ろ向きに倒れそうになる。
幸い、倒れそうになったカラダは手を引っぱった張本人の愛斗が抱きとめたのだが。

「ちょっとぉ、急に引っぱったら危ないじゃん」
「…言うこと、そんだけ?」

軽くはない辞書を両手で抱きかかえるようにして顔だけで振り向くと、
愛斗の唇のカタチは見事にへの字に歪んでいて。

「…なんでそんな顔してんの?」
「オレより宿題のほうが大事?」
「はあ?」

むっ、としたその顔は明らかに拗ねていた。


569 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/30(金) 19:12:56.82 0
「…もうちょっとゆっくりしてけよ」

そう言われた途端、里沙の腰に少し強めの圧迫感。
そこでようやく、自分のカラダを愛斗が背後から抱きしめているのだと気付いた。

「ちょ…、愛斗…っ」

思いがけない態勢に里沙の顔が一気に熱くなった。
こんな風に抱きしめられたことは初めてではないが、
いきなりすぎて意識してなかったぶん、恥ずかしさが顕著に込み上げてきた。

離してもらおうとカラダを揺らしたら更に腕のチカラが強まる。

「なんだよ、イヤなのかよ」
「そんなこと言ってないでしょっ」

ますます拗ねた口調に言われて、里沙は愛斗の腕の中でおとなしくすることに決めた。

抵抗するのをやめると、愛斗は腕のチカラを少しだけ弱め、里沙の肩に顎を乗せる。

570 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/30(金) 19:13:13.87 0
「…ガキさん、もしかしてもう風呂入った?」
「え? あ、うん…」
「どーりで。いい匂いする…」

すん、と、うなじのあたりで息を吸い込んだ、と里沙が理解した直後、
耳のすぐうしろを愛斗の唇が触れたのがわかった。

今まで触れられたことのない場所へのキスに里沙のカラダが一瞬で強張る。

「ちょっ、愛斗…?」
「…耳、赤くて可愛い」

弱く吸われて、里沙の腰のあたりが変に痺れたふうになった。
それは、恥ずかしさと同時に怖さを生む。

571 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/30(金) 19:13:26.82 0
「…やめ…、ねえ、愛斗、やめて…」
「ダメ、やめない」

愛斗の吐息が耳に触れて里沙の背筋を何かが滑り落ちる。
初めての感覚は恥ずかしさも怖さもおなじだけ膨らませた。

「…や…、愛斗…、…やだ…」

そして、慣れない行為は、怖さが恥ずかしさを先に追い抜く。

「やだあ…っ」

怖さは里沙のカラダを強張らせるだけで、
強張ったカラダは愛斗を許すことなく、ただ震えさせる。

里沙のカラダが愛斗を拒絶したのは愛斗自身にも伝わり、
その拒絶が今までのものと格段に違うことにすぐに気付いた愛斗は、
慌てて里沙のカラダを抱きしめる腕のチカラを弱めた。

カラダを覆っていた圧迫感と突然の恐怖から解放された里沙の目尻から涙が零れ落ちる。

572 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/30(金) 19:13:36.61 0
「! が、ガキさん…っ?」

涙に気付いた愛斗が里沙に手を伸ばす。
けれど里沙は、その手が自分の涙を拭うより先に自らで拭うと、愛斗の顔も見ないで立ち上がった。

「…帰る」
「待って、ガキさんっ!」

辞書を両手で胸に抱きかかえた里沙の二の腕を咄嗟に愛斗が掴もうとするが、
それより一瞬早く身を翻すと、涙で潤んだ目で愛斗を見上げた。

その目にひるんだ愛斗に、里沙は下唇を噛んで、さっきよりももっと強く辞書を抱えた。

「…愛斗のバカ!」

里沙の声に更にたじろいだ愛斗に構わず、里沙は愛斗の部屋を逃げ出すようにあとにした。



つづけ

| 愛斗×ガキさん | 11:18 │Comment- | Trackback-│編集

(4) 478-483

478 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/29(木) 01:09:08.59 0
生徒指導室の奥にある、秘密の部屋
そこに愛斗が引っ張られたと聞いて単身乗り込んだ

「ガキさーーーん!!」

ドアをがらっと開けると
そこには強面のお兄さんたちがいっぱい

「お、おひさしぶりです」
ひとりひとりに挨拶をしてまわる

「おうおう、愛斗の奥さんはしっかりしとるのー」
みんなここのOB(オールドボーイ)
全員が応援団長のお部屋
今日は緊急招集が発動したらしい。
議題はそこで半べそかいている高橋愛斗について

「やー、愛斗の気持ちはわかるんだけどねー
 さすがに応援団長がね…こういうことで警察のお世話になるのはね」
愛斗の方を見ても何も言わない。
愛斗あんた一体何をしたの?ケーサツって聞こえたけど…

「飯田さん!ここはオレにまかせちゃくれないだろうか?」
そう言って勇ましく手を挙げたのは、いつもより目力のある吉澤さんだった



479 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/29(木) 01:10:13.85 0

「ぱ、パンツー!?」
愛斗は恥ずかしげに顔を逸らした。

「そーなんだよ。こいつさ、もう何着も干してたの盗られたらしくて…
 もう困りきってケーサツに何とかしてもらおうとしてたのを
 警察関係に勤めてる飯田さんに見つかって止められたという訳なんだよ。」

なんで今まで隠してたのか。
聞けばこのところの愛斗は、変なアドレスからメールが来たり、
無言電話があったりとなかなかあやしい雲行きだったらしい

「だって、ガキさんに迷惑かけたくなかったんやもん」
可愛くそう言われたら、なんでも許したくなる。
でもそういうわけにはいかない。

「だからって、ほっとけないでしょーが!」
とりあえず、応援団長が警察のやっかい、
それもパンツ盗難なんて案件なんてOB的に絶対許せないらしい
でも、みんな愛斗が好きだから愛斗が泣き寝入りするのも許せないらしい

「俺に考えがある」
嫌な予感がしながらも、ワタシは吉澤さんのプランに耳を傾けた



480 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/29(木) 01:10:46.28 0


「ちょ、吉澤さん、あんまり愛斗にひっつかないで下さい!!」
「仕方ねーだろー?こうやって暗い中で犯人みつけなきゃいけないんだからさー」
「なんで美貴までこんなこと…」

ただ今土曜深夜1時。
吉澤さんの提案でパンツ泥棒をしょっ引くべく、愛斗宅で張り込むことに。
生け贄のイチゴトランクスはためくベランダが
よく見える部屋に、息を殺して潜む、私たち4人

昔はよく愛斗のうちにお泊りしてたんだけど、
さすがに中学になってからはなかったから、
こんな形といえちょっとドキドキする

「にしても、愛斗ってパンツまで可愛いのね?」
「え!?あんなんフツーってかーさん言ってたのに…」
美貴先輩の言葉に落ち込む愛斗

「おいおい、パンツおかんに選んでもらってんのか?
 今度俺が持ってきてやるYO
 そうだな愛斗の白い肌には黒のスケ…」
「要りませんから、それ」
まったく、この人には油断も隙もあったもんじゃない

481 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/29(木) 01:11:33.09 0

「が、ガガガガ、ガキさん。あれ、あれ!」
愛斗にお気に入りの緑ジャージの袖を引っ張られ、
慌てて窓の方に目をやると、
イチゴパンツに伸びるマジックハンドが見えた

「よっちゃん、外!先回りして!美貴は勝手口から回り込む!
 いい、あんたたち二人は、パンツが盗られた瞬間にベランダに出て
 しっかり犯人の写真撮るのよ!」

カメラを渡され、ごくりと唾を飲む愛斗
よしざーさんと美貴先輩は階段を降りていった

マジックハンドは何度も失敗しながらも着実に
揺らめくパンツをその射程距離におさめようとしている

それを見ながら横で唇を噛む愛斗
悔しいだろう、悲しいだろう
自分のお気に入りのパンツたちが変質者に蹂躙されゆく姿
愛斗の気持ちは察するに余りあった

そしてワタシ自身も憤りを隠せない
許せない、ワタシの大好きな愛斗の…パンツをよくもよくも

ワタシは愛斗の手を握ると
一歩ずつベランダに近付いた…


482 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/29(木) 01:12:28.18 0


ぱしっ

いや、実際は音もなく、愛斗のパンツをマジックハンドが掴んだ
1度上に上げてから、勢いよくひっぱると、パンツははらりと
マジックハンドの手の内に落ちた
なんという手馴れた行動!

犯人は勝利のガッツポーズ(マジックハンド)をすると
パンツを地面へと誘いはじめた

私たちは同時にベランダに躍り出て、
下界の変質者を捉える
愛斗はカメラで、ワタシはこの、里沙2.5EYEで

「ミュン!」
なんと…というかやっぱり犯人は女だった
女は大慌てでパンツを掴むと路地裏へ駆け出す

「逃がすか!」
いきなり躍り出た吉澤さんに、くるっと方向転換するも、
そちらにはすでに美貴先輩が

かくして女は取り押さえられ、警察に突き出された


483 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/29(木) 01:13:11.58 0

―数日後―
「愛斗自ら捕まえたらしいな。偉かったな、愛斗」
強面の元応援団長たちの中で、頑張って胸を張る愛斗
みんな愛斗をとてつもなく優しい目で見ている

どうやら吉澤さんが上手くやってくれたみたいで
愛斗の不安も応援団長としての面子も上手く解決したらしい

ちなみに変質者は愛斗の重度のファンで
愛斗のサイトを作ったりとなかなか危ない女だったそうだ


「ガキさん、貸し1ってことでさ、今度一晩愛斗を…」
「貸しません。それと愛斗はモノじゃありませんから」

ヘラヘラ笑う吉澤さんに一応感謝しながらも
愛斗の彼女でいることはこんな苦労もあるもんかと
小さくため息をついた

| その他 | 11:16 │Comment- | Trackback-│編集

(4) 464-466

>>423-424

464 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/28(水) 22:21:54.65 O
楽しみな気持ちは、放課後の時間が迫るにつれて焦りへと変わっていく。
悩みすぎて結局何を作るか決められないままホームルームが終わってしまった。
どうしよう、やっぱり愛斗に何がいいか聞こうかな?
でも作れない物だったらどうしよう。

「ガキさーん、帰るでー」

少し後悔しながらカバンに教科書をしまっていると、そんな私とは正反対の人物…
いつもよりトーンの高い浮かれた声の愛斗が寄ってきて、私の机の横に座り込んだ。
無駄に上手い鼻歌なんか歌っちゃって、
まるで遠足の前日の子どものように期待に満ちあふれた目で私を見ている。
こっちは何作ろうか悩んでるって言うのに暢気なものだ。
そんなに期待されたらプレッシャーだよ。
まあ、可愛いんだけどね。

465 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/28(水) 22:24:50.13 O
「愛斗はさ、何食べたいの?」
「何でもええよ」
「あのねぇ、何でもいいっていうのが一番困るんだよ?」
「ガキさんが作ったもんなら俺何でも食べるよ。作ってくれるだけで嬉しいし」
「なっ…」

なんで愛斗ってこういうことを恥ずかしげもなくサラッと言えるんだろう。
その度に私はドキドキしたり嬉しくなったり忙しくて。
なんだか私ばっかり、ずるいな。

「ガキさんは何が得意なの?」
「うーん、オムライスとかぁ、レンコンと山芋のマスタードソース炒めとか?」
「じゃあオムライス!」
「えっ、それでいいの?もっと他に食べたい物とかさー」
「ええのええの、今すごくオムライスか食べたくなった。
オッムライス~食べたいな~ガキさんの~オムライス~♪」
「プッ、何その歌」
「オムライスの歌」
「アハッ、変な歌」

なんとも気の抜けた歌に、固まっていた私の気持ちが不思議と軽くなって自然と笑みがこぼれた。

466 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/28(水) 22:26:31.11 O
「じゃあオムライスにしよっか」
「おう。もちろんケチャップでハートとかLOVEとか書いてくれるんやろ?」
「はー?何言ってんのぉ!書かないから」

そんな恥ずかしいこと出来る訳ないじゃない。
愛斗じゃあるまいし。

「ええやん、書いてよ」
「書きませーん」
「ケチ…」
「何すねてんの。ほら買い物行くよ」
「あい」

私の差し出した手を愛斗が握り2人で歩き出す。
なんだか横でぶつぶつと文句を言ってる愛斗。
本当にこういうところはお子さまなんだから。
しょうがないなぁ。

「なあガキさん?」
「なに?」
「せめて名前くらいは…」
「書かないからぁ!」

まったく…。


うぅーん、ケチャップで文字…か。


続く

| 愛斗×ガキさん | 11:15 │Comment- | Trackback-│編集

(4) 423-424

423 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/28(水) 08:23:57.23 O
「なあガキさん」
「ん?」
「今日母さんと父さん結婚記念日でさ、2人で夜飯食いにいくらしいんやけど」
「へぇー、結婚記念日に2人で食事っていいじゃないの。素敵だねぇ」

愛斗のうちはおじさんとおばさんすごく仲がいい。何年経っても2人で結婚記念日祝えるってそういうのって憧れちゃう。
もし愛斗と結婚したら・・・なんてそんな妄想をついついしてしまってニヤケてしまった。
いかんいかん。

「でさ、ガキさんご飯作りにきてくれん?」
「はっ?なんでよ?」
「俺作れんし。ガキさんの料理食べたことないから食べてみたい」
「何言ってんの、無理だから」
「だって最近料理やっとるんやろ?」
「やってるっていってもママと一緒にだし。そうだ!うちで食べればいいじゃない。ママに頼んでおくからさ」
「いやや、俺ガキさんの料理が食べたいんやもん」
「そーんなこと言われたってさぁ」
「ダメ?」

子どもっぽい声で甘えるように聞きながら私の顔を覗き込む愛斗。昔っから私はこれに弱い。
愛斗はきっとそれをわかってやってる。でも断れなくなってしまうのだ。

424 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/28(水) 08:24:47.26 O
「ダメっていうかさぁ…」
「頼むよ。買い物とか俺付き合うし。料理も出来ることは手伝うからさ」
「うーん…わかったよ」
「マジで?やった!ありがとうガキさん。じゃあ帰りに買い物して帰ろう」
「…うん」

大丈夫かなー?なんて不安になりつつも、愛斗の嬉しそうな顔を見ると、まあいっかなんて思ってしまう。
本当に私は愛斗には弱いなぁ。

やるからにはちゃんと作らないと。おいしいって言ってもらいたいし。
何作ろうかな?愛斗の好きな物がいいよね?
授業中そんなことばかりを考えながら、少し楽しみにしている自分がいた。


続け

| 愛斗×ガキさん | 11:12 │Comment- | Trackback-│編集

(4) 282-285

282 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/26(月) 03:15:11.19 O
それは10年前以上のある日の約束

「ねえ里沙ちゃん」
「なあに?愛斗くん」
「あ、あのね、えっと、大きくなったらね」
「うん」
「大きくなったら、ぼっ、ぼくとっ」
「なあに?」
「ぼくとけっ、けっきょんしてくりゃしゃい!」
「けっきょん?」
「あっ、えっと、えっとー」
「フフ…いいよ。約束ね」
「ほんとに?」
「うん、約束。愛斗くん指切りしよう、はい」
「う、うん!」

「「ゆーびきーりげーんまんうっそつーいたーらはりせーんぼんのーます」」

「「ゆーびきった!」」

283 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/26(月) 03:16:45.47 O
あれから十数年――幼稚園の卒園アルバムを見る二人

「そういえばさ」
「何?」
「昔ガキさんと結婚の約束したよな」
「あーしたねしたね。…プハハッ」
「何笑っとんの」
「いやだってさあ、あの時の愛斗『けっきょんしてくりゃしゃい』って相当噛んでたよねぇ」
「あっ、あん時は緊張してたんだよ!」
「愛斗のそういうところ変わんないよねぇ。肝心なところで決められないっていうかさぁ」
「なんやのそれ、今はそんなことないで」
「そんなことあるよぉ」
「そんなことない!証拠見せてやる!」

284 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/26(月) 03:18:28.07 O
そう言うとぐっと里沙の肩をつかみ、瞳をまっすぐ見つめる愛斗

「ちょっ、ちょっと愛斗…」
「ガキ・・里沙ちゃん!」

「これからもずっと俺と一緒にいてほしい」
「愛斗…」
「ほんで、いつか俺と、俺と―」
「けっきょんしてくりゃさい!!・・・・・・あっ!」

「やってもうた、ビシッと決めるつもりやったのに…」
「・・・・アッハッハッハッ」
「なに笑っとんの」
「だって…おかしくて。やっぱり愛斗って、変わらないよねぇ。アハハッ…ハハッ…」

「なんやの、そんな泣くほど笑わんでもええやんか。俺は真剣やのに。もうええわ!」

すねて背を向けてしまった愛斗
そんな愛斗の背中に里沙はそっと顔を埋め、後ろから抱きしめた

285 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/26(月) 03:20:34.57 O
「愛斗、ごめん。こっち・・向いて?」
「…」
「泣いてるのは、おかしいからじゃないよ…嬉しいからだよ…」
「えっ?」

里沙の言葉に愛斗がゆっくりと振り返ると、里沙が顔を真っ赤にしながらも、まっすぐ愛斗を見つめた

「あの頃と変わらない愛斗が、愛斗の気持ちが、嬉しいから。…あたしの気持ちも、あの頃と変わらないよ」
「ガキさん…」
「ってもぉ~限界!恥ずかしい…あたし何言っちゃってんだろう」
「ガキさん!」

思わず愛斗は里沙をきつく抱きしめた
なんでこんなこんなにも愛しいんだろう

「ちょっ、ちょっと苦しいよぉ、愛斗」
「あっ、ごめん。」
「ねえ愛斗」
「ん?」
「指切りしよっか?あの頃みたいに」
「おう」

「「ゆーびきーりげーんまんうっそつーいたーらはりせーんぼんのーます」」
「「ゆーびきった!」」

指を離した2人は目を合わせて照れくさそうに笑いあった後、ゆっくりと唇を重ねる

なんだかしょっぱくて、でもとても温かいキスだった


おしまい

| 愛斗×ガキさん | 19:31 │Comment- | Trackback-│編集

(4) 82-85

82 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/24(土) 21:54:44.99 0

「やば、もうこんな時間…」

人の気配が少なくなった廊下に里沙の独り言が響く。
腕時計で時間を確認して、里沙は教室に向かう足どりを速めた。

いつも放課後は教室でぼんやりしながら愛斗の練習が終わるのを待っているのだけれど、
今日は担任教師の雑用を手伝うハメになり、
気が付いたら愛斗の部活はとうに練習を終えている時間になっていた。

雑用を手伝っていることはもちろん愛斗も知っていたから、
きっと教室で里沙が戻ってくるのを首を長くして待っているはずだ。

愛斗のことだ、きっと少し拗ねているだろう。
そう思うと、知らずに溜め息が漏れた。
拗ねている愛斗を宥めるのは、少し大変なのだ。
とはいえ、そんな愛斗と他愛ない時間も、
里沙には嬉しくて楽しいものだったりするのだけれど。

83 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/24(土) 21:55:08.36 0

「遅くなってごめ…っ」

言いながら教室の扉を開けたとき、里沙の想像を裏切った愛斗がそこにいた。
西日の当たる窓際の席で、窓の桟にもたれるようにしながら、愛斗は眠っていたのだ。

「…愛、斗?」

寝ている、と思うと、呼びかける声も知らずに小さくなる。
足音も忍ばせるように近寄ってそっと顔を覗き込むと、静かながらも確かに寝息をたてていて。

「……タヌキ寝入り…、じゃ、なさそうね」

里沙が思う以上に、練習がハードなのだろうか。
気持ち良さげにしているその表情からは、少し、疲労の色が窺えた。

疲れているなら、起こしてしまうのは忍びない。
けれどいつまでもここにいるわけにもいかない。

愛斗の寝顔を眺めていた里沙にそんな葛藤が生まれる。

84 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/24(土) 21:55:37.14 0

しばらく悩んでいたけれど、意を決して愛斗の肩に手を伸ばしたときだった。

開け放たれていた窓からふわりと風が入り込んできて、愛斗の前髪を揺らす。
閉じられていた瞼がはっきりと見えて、その睫毛の長さに思わず里沙は息を飲んだ。

愛斗の顔は、男にしておくにはもったいないくらい、とても整っている。
本人はそれをひどくコンプレックスとして感じているが、
愛斗が、どちらかといえば『可愛い系』であることは周知の事実で、
実際、男にも、女に引けを取らないくらい、人気があるのだ。

幼馴染みで、小さい頃からずっと一緒だった里沙も、
正直、顔なんて見飽きるぐらい長い時間を過ごしてきたというのに、
愛斗の顔は、やっぱり、いつまで見ていても飽きないと思わせるし、
ときどき、ふとした表情にドキドキしたりもする。

85 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/24(土) 21:55:51.43 0

キスしたいな、と、何の迷いもなく、そう思った。
普段だったら、自分からするときはとても恥ずかしく思うのに。

付き合ってるんだから、こんなふうに寝込みを襲う必要なんてないのだけれど、
相手は眠ってる、という、どこかに感じる後ろめたさも、
好奇心として働いたのかも知れない。

愛斗の座っている椅子の背凭れにそっと手を置き、静かに身を屈ませる。
そして、気持ち良さそうに眠っている愛斗の頬に、ゆっくりと唇を押し付けた。

このキスで、眠り姫ならぬ眠り王子が目を覚ませばいいと、心のどこかで思いながら。





おわれ

| 愛斗×ガキさん | 21:59 │Comment- | Trackback-│編集

(4) 35-40

35 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/24(土) 00:18:40.84 0
「高橋さーん!!」

廊下、学食、校庭。
どこにいたって小春は高橋さんを見つけたら抱きつきます。
な、なにするんやー
とか真っ赤になってる高橋さんを見るのが小春大好きなんです。

いつの間にか、小春の方が完全に背が高くなっちゃったけど、
小春の腕にすっぽり納まっちゃうサイズなんだけど、
いつだって小春を見守ってくれる温かい目は変わりません。
高橋さんは、小春の近所のお兄さんなんです。


今日はお昼休み、食堂と高校校舎の渡り廊下で見つけました。
「こ、小春。あっかんって!」
「なんでですかー?こうしてた方が、高橋さんが近く感じるのにー」
「な、何言うて…」

連れのミッツィはこんなことして
ファンクラブに睨まれない久住さんがすごいって言います。
小春はなんのことだかさっぱりわかりません。



36 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/24(土) 00:19:07.93 0

「わーんわーーーん!!」
それは幼い時の記憶。
いっつもうちから5メートルの地点で迷子になったり、
小型犬に追いかけられて大泣きしてた小春。

「だいじょぶかー?」
そう言って助けて、小春の手を引いてくれたのは、いつも高橋さんでした。
小春、高橋さんに手繋いで貰ったらなんだってできちゃう気がしてた。
ううん、今だってそう。
小春+高橋さんなら、小春なんだってできます!

それなのに高橋さんが先に小学校に行っちゃって、
ちょっとだけ一緒だったのに、また先に中学校に行っちゃって…
この中高一貫の波浪学園じゃなかったら、
こうやってお昼に会うこともできなかった。

愛斗おにーちゃん、なんて呼んでたのを高橋さんに、変えたのだって、
しっかり敬語使うようにしたのだって、
小春ちょっとでも高橋さんに近づきたいから。

でもあと2年もしたらまた小春と高橋さんはお別れ。
高橋さん、わかってます?そのこと…



38 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/24(土) 00:19:41.62 0

「小春、いてぇって!」
思わず力が入っちゃってたみたいで、
小春の腕をぺしぺし叩いた高橋さん。

「ごめんなさーい」
そう明るく言ったら、反省してねーなーなんて笑われました。
「さ、中学校舎帰るで」
そう言って昔みたいに手を引いてくれる高橋さん。
小春がこうしないと、帰らないこと、もうわかってるんです。

これで良いんだ。
だってこうやって一緒にいれる。

いつかやってくる別離の時より、
今こうやって高橋さんと過ごせる
この時間を大切にしなきゃいけないんです。


高橋さんが高校卒業する時は、小春泣いちゃうかもな…



39 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/24(土) 00:20:49.68 0
「小春、ついたでー」
中学校舎の前まで来て、いよいよお別れです。
でも、いつもみたいに小春の手をすぐに離さず、じっと見てる高橋さん。
あ、手汗ですか?小春気にしないですよ。

「なー、小春」
「はいィ?」
なるべく素っ頓狂な声をあげておきました。
手汗、カミングアウトしやすいように。

「あのさー。やっぱなんでもない。」
「なんですか?気になる気になる!!」
高橋さんはすごくモジモジしています。
それでいて、真剣な表情。手汗じゃないんですか?じゃあなんです?


「あのさ、オレが卒業したら、こうやってもう逢えんわけやん?
 それってさ、あ、かなり先の話しててごめんなんやけどさ、それってさ、
 なんか寂しいなーって、オレ思ってて。」
「…」
「オレ、小春がずっと、側にいたらええのにって、考えてて、さ。
 あーなんか、別に小春がオレとこうやって手繋いだりとかすんのは、
 そういうこと意識してないからやって、わかってるけど…さ」

「オレ、小春が、好き…かもしらん…」
それは、小春と高橋さんを繋ぐ、虹の言葉。

歳が離れてても、遠くに行っちゃっても、小春が側にいれる。
まるで革命。レボリューション!小春、なんで今まで気付かなかったんだろう


40 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/24(土) 00:21:11.99 0


「やから、オレとつきあ…」
「小春、小春も、小春もーっ!!高橋さんが、大好きです!!」
「こ、小春、声おっき…」
「付き合います!小春、小春高橋さんのお嫁さんになります!!」
「そ、それは飛びすぎやって小春!」

どちらの校舎からも、みんなが小春たちを見てます。
きっとこれは、祝福の嵐です。

「久住小春。今から高橋さんの彼女になっりまーす!!」
「小春、しーっ!!」

照れすぎて焦ってる高橋さんと、満面の笑みの小春。

これからいろんなことが起こったって、
小春、高橋さんと手を繋いでたら、
どこまでだってなんだってできます!!


だから、愛斗おにーちゃん、小春の手、ずーっと離さないでね。




| 愛斗×小春 | 21:51 │Comment- | Trackback-│編集

(3) 388-392

388 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/22(木) 20:23:17.11 0
 
 
 
好きとか、いえる訳ないやんか。
絶対叶えへんってわかってんのに。


なのに嫌いになれへん自分って…あかん、あほやなぁ自分。
もう重症やんか。

どうやって治すのか、方法が分からん。
誰かに聞いたら知ってんのかな。
もしかして、自分だけが知らんのかな。
 
 
 


389 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/22(木) 20:23:41.29 0
 
学校が終わると、向かう先は図書館。そこで夕方まで勉強して、それから家に帰る。
…別に家でも勉強できるんやけど。
たまに来るんよ。…あの人が。

「あ、愛佳ちゃん」
「どーもぉ。お久しぶりですね」
「うん。どーしても調べたいのがあってさぁ。愛佳ちゃんは勉強?」
「そぉですよ。テスト近いですから」
「偉いなぁ。愛佳ちゃんは」

そう言って愛斗先輩は愛佳の隣に鞄を置くと、本棚の方へ行ってしまった。
ひょっとして隣に座るんやろうか?考えるだけでドキドキする。
今日は一緒じゃないんかな。…彼女さんと。

「よっ…と」

10分くらいすると愛斗先輩は分厚い本を何冊も持ってきた。
何を調べるんやろ…。あかん、気になって自分の勉強はかどらへんし。
ほら、さっきから一問も解いてへん。

「隣、いい?」
「へ?あ、あぁ、いいですよ」
「ありがとー」

あかん、めっちゃ緊張してるやん自分。
こんなんいつもの愛佳やないし!もっと普通にせなバレバレやん。
それにバレたって…今更どーしようもないやんか。
 

390 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/22(木) 20:24:00.72 0
 
「愛佳ちゃん」
「は、はいっ」
「…それ、分かんないの?さっきから進んでないみたいだから」
「そ、そーなんですよ!めっちゃ難しいんです、これ」
「どれ、見せて。俺が教えてあげるよ」
「ほ…ほんとですか?」
「うん」

嘘ばっかり。何言うてんの自分。こんなんすぐ分かるやん。
今日習ったばっかりやんか。
あーあ。なんだかんだ言うても、近くにいたいやんな、少しでも。
そらそうや。好きなんやから。

「そんで、これをここに当てはめると…」
「…こうですか?」
「そうそう。そしたら後は計算するだけ」
「ほんとだ、出来た!ありがとうございます!」
「どういたしまして。これでも先輩だからねー」

心臓の音、聞こえてへんやろうか。すっごいバクバクいってる。
愛斗先輩も、そんな無防備に近づかんでください。
もうどうしていいか、分かんなくなるじゃないですか。
離れてしまうのが、寂しく感じるじゃないですか。
もっと、好きになってしまうやんか。
 

391 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/22(木) 20:24:21.14 0
 
「分かんないとこあったら聞いてね。俺も出来るだけ教えるからさ」
「あ…はい。ありがとうございます!」
「テスト頑張ってな。応援してるよ」
「ほんとですかぁ!?」
「次もいい成績だったら…そーだな、ジュース奢るよ」
「じゃあ、めーっちゃ頑張ります!」

別にジュースなんかいらん。もっと欲しいのがあるもん…愛佳には。
どうせくれるんなら、そっちの方がいい。…って、ほんと、あほやなぁ自分。
いえる訳ないやん。傷つくだけって、分かってるやろ。

「…今日は彼女さん来てないんですか?」
「うん。ガキさんは友達と遊びに行くんだって」
「じゃ一人なんですね。寂しくないですか?」
「寂しくないよー。今は愛佳ちゃんと一緒だしね」

もう、そんなん言わんといてください。
嬉しすぎて、顔がニヤけてきちゃうじゃないですか。
もっと傍にいたいって、思ってしまうじゃないですか。
「好きです」って、言っちゃいそうになるじゃないですか。
 

392 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/22(木) 20:24:43.70 0
 
「あ、もう5時だ」
「…そうですね」
「帰ろっか。途中まで送るよ」
「そんな…いいですよ」
「いいからいいから。早く帰ろう?」
「はい…」

あぁ、もう。
こんな人をどうやったら嫌いになれんの?
少なくとも愛佳にはムリ。
どんどん好きになってく一方やん。彼女おるのに…。
愛佳にだけ優しい訳やないって、分かってるはずやのに。
頭では…分かってるはずやのになぁ…。


自分に嘘なんか付かれへんってことやな。
…ほんまに実らんもんやね、初恋って。



―おしまい―

| 愛斗×愛佳 | 21:19 │Comment- | Trackback-│編集

(3) 340-344

340 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/21(水) 19:55:26.96 0
 
「雨、止まないね」
「今日ずっと雨って天気予報の人が言ってたな」
「あーあ。外で遊びたかったぁ…」

愛斗の部屋で里沙は窓を見ながら残念そうに呟いた。
窓の外には夜から降っていた雨が、尚も雨足を強めている。

「そんなに外行きたかったの?」
「だってせっかくの休みなのにぃ」
「明日も休みじゃん」
「それはそうだけどぉ…でも…」
「なに?」
「…愛斗とデートしたかったんだもん」

その言葉に愛斗は隣の里沙を見るが、里沙の視線はさっきからずっと窓の向こうを見ている。
愛斗はそんな里沙を後ろから優しく抱き締めた。

「なによぉ」
「たまにはいいじゃん。家でのんびりするのもさ」
「…でもつまんないじゃん」
「俺といるのがつまんないのかよ」
「違っ…そーじゃなくてぇ!」
「じゃなんだよ」
「何にもすることがないと退屈じゃない?」

里沙は愛斗にそう言うと、そのままベッドに腰掛けた。
 

341 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/21(水) 19:55:48.16 0
 
「ずっとテレビとかマンガ読むだけとかって時間がもったいないじゃん」
「ガキさん」
「ん?」

愛斗は里沙の隣に座ると、里沙の目を見つめた。とても真剣に。

「あるじゃん、すること」
「な、なによ」
「俺と、イチャイチャすること」
「なっ!?何いきなり!!」
「これってすげー大事なことじゃね?」
「バカなこと言わないで!!」
「なんでだよ。大事じゃんか」

愛斗はいたって真剣だ。冗談なんか言うはずもない。

「ガキさんはしたくないの?」
「な、なにを?」
「俺とキスとかしたくない?」

そんな質問をされても、と里沙は困ってしまう。
答えるのが恥ずかしいのだ。
まるで、自分が愛斗とキスをしたがってるような気がして。
 

342 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/21(水) 19:56:12.80 0
 
「どうなの?」
「…し、したいよ?したいけどさ…」
「なに?」
「あ、愛斗こそどうなのよぉ」
「俺?」
「うん…」
「俺はしたいよ。いっぱい。一日中しててもいいくらい」
「…えっち」
「しょーがないよ、ガキさんのこと好きなんだもん」

聞いてて恥ずかしいセリフを愛斗はさらっと言ってしまう。
里沙は顔が真っ赤だ。
何回「好きだ」と言われても、一向に慣れない。

「テレんなって」
「…むり」

恥ずかしさから顔を俯いたままでいると、愛斗に顎を持ち上げられてキスをされた。
唇はすぐに離れたが、そのまま至近距離で見つめられる。

「いっぱいちゅーしていい?」
「…き、聞かなくていいから」
「いいの?ほんとにいいの?」
「…ん」
「じゃあ、する」
 

343 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/21(水) 19:56:36.08 0
 
言い終わると同時に唇が塞がれる。
噛み付くようにキスされて、里沙の口内に愛斗のそれが入ってくる。
里沙のそれを乱暴に絡め取られて、吸われたり噛まれたりされると正直、訳が分からなくなる。

「ん……ふっ……」

ただ、漏れ出る自分の吐息などがすごくイヤラシク聞こえて。
愛斗にも同じように聞こえてるかと思うと、里沙はますます顔に熱が集まった。

「…ん、どした?ガキさん…」
「……」

里沙は愛斗から唇を離した。愛斗は不思議そうに里沙を見る。
だが里沙は下を向いたまま目を合わせない。

「…怒ったの?」
「……」
「ガキさん?」
「…愛斗ばっかり、ズルイ」
「え?…ちょ、うわ」

里沙は愛斗を睨むとそのまま押し倒してキスをした。
さっきまで愛斗にされたことを、やり返す。
愛斗にされてばっかりじゃ悔しい。女の子だって、やる時はやるのだ。

「ん…」

気が済むまでキスをすると、里沙はゆっくりと唇を離した。
急激に恥ずかしさが込み上げてくる。
里沙は少し、いやかなり先ほどの行為に後悔した。
 

344 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/21(水) 19:57:08.74 0
 
「ご、ごめん…」
「……」

気まずさに耐えられず里沙が謝ると、愛斗は何も言わずに里沙を見た。
怒ってはなさそうだが、表情からは何も読み取れない。
里沙はそのまま愛斗から離れようとしたら、逆に抱き締められてしまった。

「…ガキさん」
「あ、あの…今のごめんね。イヤだったよね…」
「ガキさん」
「え?な、なに?」
「もっかいして」
「えぇ?」
「イヤじゃないから。つかすっげー嬉しい」
「あ…そ、そう」
「だからもっといっぱいしてよ」
「い、いっぱい…?」
「ガキさんの好きなようにしていいからさ」
「…イヤじゃないの?」
「全然。俺も好きなようにするし」
「そ、そっか…」
「もぅ今日はずっとちゅーだけしてような」
「え、ほんとに?」
「うん」


ま、たまにはこんな日も悪くはない。



―おしまい―

| 愛斗×ガキさん | 21:15 │Comment- | Trackback-│編集

(3) 291-294

291 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/20(火) 22:58:23.95 0
 
 
「ぜっっっっったいヤダ!!」
「だーめ。ほら、早く着替えて」
「ヤダったらヤダ!!」
「もぉ愛斗ぉ~」
 
 

ここは男子更衣室。
なぜ里沙がいるのかと言うと、愛斗が用意された衣装に着替えてくれないからだ。
もうすぐ全校集会が始まってしまう。
そこで運動部を次の大会に送り出すために応援部が全校生徒の前で応援をするのだが、
団長である愛斗が出たくないと駄々をこねている。
その理由は…

「なんで俺だけチアガールの格好しなきゃなんないんだよ!」
「しょーがないでしょ!そういう決まりなんだから」
「学ランでいいじゃん…」
「ダメ!団長なんだから!!」

応援部の仕来りで、団長は1回だけチアガールの衣装で応援しなければならない。
愛斗はこの全校集会でやることが決まっている。
この仕来りはもはや伝統で、集会がとても盛り上がることから、やらないわけにはいかないのだ。


292 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/20(火) 22:58:44.93 0
 
「すっげーヤダ…」
「ほら、みんな待ってるよ?」
「どうせ俺のこと見て笑いたいだけだろ…」
「そんな事言わないの」
「だってさぁ」

かっこ悪いじゃん、こんなの。と愛斗は口を尖らせて言う。
その姿はとても愛しかったが、確かに自分が逆の立場だったらと思うと里沙は愛斗に同情した。
隣に座って、愛斗の頭を優しく撫でる。

「…誰だってイヤだもんね、こういうのは」
「去年の先輩もすっげーイヤがってた」
「…どうする?やめる?」
「う~…」

やめるのかと聞かれると、団長としての責任が愛斗を襲う。
応援自体はすごく好きだし、それで運動部の士気が上がればやって良かったと思える。
その時の一体感は、言葉では表せないほどだ。
故に愛斗は悩む。まるで人生の決断を強いられているかのように。

「…俺、やるよ」
「うっそ、ほんと?」
「ん。団長だしね」

半ば諦めにも似た表情で愛斗は力なく笑う。
そりゃそうだ、決断したってイヤなものには変わりないのだから。
愛斗は衣装を手に取って着替え始めた。
里沙は背中を向けて愛斗が着替え終わるのを待つ。


293 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/20(火) 22:59:12.25 0
 
「…ガキさん」
「終わったの?」
「ん…」

里沙は振り向いて愛斗を見た。
視界に愛斗を捉えた途端、里沙の目が大きく見開く。

「え?…うそでしょ…」
「なに?俺なんか変?」
「変じゃない…すっごいかわいいよ愛斗」
「マジで?」
「普通に女の子みたい」
「…それ、嬉しくないんだけど」

背は小さく、体つきは華奢で、顔は童顔。
そんな男の子がこんな格好をすればこういう結果になるもの当たり前の話だ。
しかし愛斗はお年頃。女の子みたいと言われても嬉しくもなんともない。
むしろ里沙の前では男らしくいたいのに。

「愛斗?」
「…ガキさんのバカ」
「うえぇ?なんでよぉ!」
「男心が分かってない」
「なによそれぇ」

愛斗の気持ちなど気付きもしない里沙の手を引き寄せて抱き締める。
そのまま強引に唇を合わせた。
いくら女の子みたいな格好でも見た目でも、愛斗は男なのだ。
彼女を抱き締めて、キスしちゃうくらい、男らしいのだ。


294 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/20(火) 22:59:37.33 0
「俺、頑張ってくるよ」
「え?う、うん。頑張ってね、ちゃんと見てるから」
「みんなに笑われても頑張るから」
「大丈夫だよ。愛斗すっごいかわいいもん」
「…だから俺が頑張ったら、ご褒美ちょうだい」
「ご褒美?」
「ガキさんから、俺にちゅーして欲しい」
「えぇ!?ほんとに?」
「約束な」
「ちょ、あたしまだ「うん」って言ってないでしょーが!!」
「ガキさんがちゅーしてくんないなら俺帰る…」

さっきの男らしさはどこへ行ったのか。愛斗はしょんぼりした顔をしている。
里沙はそんな愛斗を見て一つ溜息をつくと、愛斗の手を握った。

「…わかったから。ちゅーするから、ね?」
「ほんと?」
「ほんとほんと。だから早く行かないと」
「わかった、行ってくる!」
「ん。行ってらっしゃい」
「すっごいちゅーだからな、ガキさん」
「はいはい、すっごいちゅーって…えぇ!?」

里沙の声を無視して愛斗はステージに歩いていく。
金色のボンボンを手に、足は若干ガニ股気味だがしっかりと歩く。
大好きな彼女からして貰うすっごいちゅーのために。


「ハロ高ー!!おーえんかー!!」


―おしまい―

| 愛斗×ガキさん | 02:35 │Comment- | Trackback-│編集

(3) 141-145

141 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/18(日) 21:38:28.52 0
近所のコンビニで飲み物を買おうとしていた愛斗の目に、
同じ学校の制服を着た女子の姿が映った。
菓子棚の前で目尻を下げながら商品を物色している。
愛斗の記憶では、そこはラムネやガムが入ったアニメの食玩が
陳列されている棚だった。

女子は既に二、三個の箱を抱えていたが、更に棚の下段の
方に手を伸ばして商品を掴み取ろうとした。
同時に腰を曲げたので、あ、と言いかけたところで抱えていた
箱が全て床に落下。
女子はおおっ、と大げさに驚いて、膝を曲げたら今度は棚に額を
打ち付けた。
バコドゴどさー
色んな音が聞こえた。

「ぉう……」

後頭部に板ガムを載せたままうずくまっている女子のもとに、
愛斗と男性店員が飛んでいく。

142 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/18(日) 21:39:15.99 0
「お客さん、大丈夫ですか」
「平気? 何かスゲー音しよったで」

さてこの発言だが、前者は商品を拾いながら、後者は女子を
覗き込みながら行われていた。
この時の表情だが、前者は怒りで眉間に皺を、後者は打ち所の
心配で眉間に皺を寄せていた。

「アー……スイマセンだいじょぶです本当にごめんなサイ」

額に手をあてたまま、少女が顔を上げた。
愛斗は彼女を知っていた。中国からの留学生、リンリンだった。

「失礼ですが、そのバッグの中身も改めさせていただきます」
「……あ、あラー、た……?」

リンリンにはうまく伝わらなかったようだが、店員が示したのは
彼女が肩にかけていたトートバッグで、それを聞いた愛斗は
眉間の皺を深くさせた。

「入っとらんですよ。俺向こうから見てたし」
「ご本人に確認しているんです」

店員は感情の見えない据わった目で愛斗とリンリンを交互に見、
意味を理解したリンリンはゆっくりとトートバッグの持ち手を
広げて、中身が見えるようにした。
店員につられて愛斗もその中身を覗き込む。
思わず目を丸くした。

143 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/18(日) 21:40:27.38 0
「アー、アツイ、やばいアツイ」
「……何か、ごめん」

コンビニから出たリンリンは、真っ赤になった顔を必死で
扇ぎながら早足で歩いている。半歩後ろを愛斗が歩いていた。

トートバッグの中には、たくさんの漫画が入っていた。
最近巷で噂の『SEXY BOY~時津風に寄り添って~』という
相撲部屋を舞台にした漫画で、何でもその筋の人達に大人気
らしいのだが、先日深夜アニメ化が決定したとか。
リンリンは日本のアニメが大好きで、新番組は必ず原作を
チェックするので、この漫画も……ということらしい。

これが日本語の勉強にトテモいいのデス! とは彼女の弁。
漫画以外にパンフレットのようなものも数冊あったようだが、
店員がもういいと言ってバッグの口を閉じたのでよく見えなかった。
あれも漫画だったのだろうか?

144 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/18(日) 21:41:13.40 0
リンリンが急に立ち止まって振り返る。

「……アノ、先程はトテモありがとうゴザイマシタ」
「え? 何のこと?」
「団長サンワタシをフォローしてくれました」

団長さん、と呼ばれて愛斗はついつい噴き出してしまったが、
確かに自分は団長なのである。間違ってはいない。
言われてみれば校内で自分の事を認識している生徒の大半は、
応援団長としての自分を知っている、ということになるのだろう。

「だって俺ちゃんと見てたからさあ、あれは店員が疑い過ぎ」
「ワタシあの時団長サンがHEROに見えました!」
「……そんなに安田大サーカスっぽいのか、俺」



間。



愛斗は耳まで真っ赤になって、リンリンに不思議そうな顔をされた。

すぐに突っ込んでくれる幼馴染の存在は大きいな、と、
つくづくそう思ったとか、思わなかったとか。

145 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/18(日) 21:43:39.75 0
川*^A^)<オワリダヨー

| 愛斗×リンリン | 22:01 │Comment- | Trackback-│編集

(3) 88-94

88 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/17(土) 21:56:59.77 0
「あなたは魔女を信じますか?」

幼い時から私には特別な力があった。
逆回転CDの曲名を一瞬で当てる力だ。
おじーちゃんにそのことを言うと、
手にひとさし指をあてながらこう言われた。

「りさこのおばあちゃん、本当は魔女なんだよ」

その言葉からもう数年が経つ。
誰にも言っていないけど、私は魔女の血を引いている。

一人だけ、親友の愛理には打ち明けたことがある。
馬鹿にされるかと思ったけど、
愛理も実はカッパを信じている、と秘密を打ち明けてくれた。
以来、私たちは唯一無二の親友となった。


その彼女が、先日始めての恋に終止符を打った。
想いは成就しなかったのに、愛理はすごく綺麗になった。

それは魔法のように。


でも、りさこはまだ、恋になんて興味はない。
告白してくれるクラスメイトや先輩は多いけど。

私はそれよりも完璧な魔女になりたいのだ。
その為にはいろんなこと、知ってなきゃ。
だから私は今日も図書館に足を運ぶ。

89 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/17(土) 21:57:39.05 0


学校の勉強なんてつまらない。
図書館の奥の奥。ぎぎぎって動かさないと出てこない本棚にある、
西洋の昔話。これを読み解くのが何よりも楽しみ。
英和だけじゃなく、英英辞書がいるんだけど。

あれ、抜けないな。あ、昨日の夜、ここを整理するって言ってた。
無理やり本を詰め込んだのかもしれない。
私の身長ギリギリのところにあるそれだから、
必死に背伸びして本の角っこに指をかけてひっぱる。
もっ、ちょい。もーちょいっ。

取れた!!そう思ったときにはちょっと様子が変わってた。
同じ段にある本が波となって落ちてくる。
それはまるで、スローモーション。
あたしは避けることもできず、ただ少し屈んで眼を瞑った。

がんっ!どさどさどさ!!!



90 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/17(土) 21:58:03.27 0

あたし目がけて降り注いだ本は一つも当たることなく、
地面に落ちた。
でもそれは魔法なんかじゃなくて、


「いっっっっっっっでえぇぇぇぇぇぇ!!!!」

アタシを庇うように盾になってくれた人がいたから。

「す、すいません。大丈夫ですか?」
ちょっと目じりに涙を溜めながら大丈夫って言ったその人に私はハッとした。
この人、知ってる。高橋愛斗。
……愛理の、好きだった人。

「ってえ!なんでこんなん落ちてくるんやぁ」
その人は後頭部を押さえながら落ちた本を棚に戻し始めた。
律儀な人。片手で、しかも背が足りなくて
ぴょんぴょん本を戻す姿がちょっと可愛いな、なんて思ってしまった。


「あ、あの、すみません。助けて、下さったのに…」
上手く目を見て話せない。
おかしいな、男の子と話すなんて、普通のことなのに。

高橋愛斗先輩は、くるっと振り返ると
「んー、怪我せんで良かった。あのままやったら、顔に怪我してたで」
そう言って微笑んだ。
なんか胸がきゅん、ってした…これが、愛理を磨いた魔法?



91 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/17(土) 21:58:26.78 0


「ほい、これ取ろうとしてたんやろ?」
そう言って差し出された、本を受け取る。

でもなんでだろう、こんなに大切な本なのに今は読みたくない。

気がつくとあたしは、館長に文句言うから行くな、なんて、
男らしいこと言い出した、高橋先輩の袖を掴んでた。


「あの、お礼がしたいんですけど…」


固辞する先輩を無理やり誘って、学校を出た。
何、真剣になってるんだろう…
きっと、あたし、愛理にかけた魔法の正体が知りたいんだ
だからこうやって。きっと、そう…



92 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/17(土) 21:59:06.19 0


「うっわ、すっげー!!」
高橋先輩は、私の部屋に入るやいなや、コレクションの魔女グッズを見始めた。
「すいません、なんか変な趣味ですよね?」
ホントは思ってないんだけどね。
先に文句言われたら嫌だし。

「ううん!オレも魔法使いとか吸血鬼とかすっげー好き!!」
高橋先輩と好きのベクトルが違う気がしたんだけど、
そういってもらえてなんだか嬉しかった。
愛理にしか見せたこと、なかったのに。

それから先輩といっぱい話した。
応援団で団長してて、よく喉壊しちゃうこと。
カラオケが大好きってこと。
…幼なじみで、大切な彼女がいること。

全部全部愛理から聞いてたのに、どうしてかな。
先輩の口から聞けることが嬉しかった。
最後の話だけなぜか心がちくっとしたけど。



93 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/17(土) 21:59:59.82 0

楽しい時間はあっという間に過ぎた。

玄関まで送って、ドアを開けると、先輩に夕日がかかる。
先輩の両目がオレンジ色を反映して時間が止まる。
その中に、あたしが閉じ込められてる。

「じゃあ、また」

そう言われて、自分でさよならって言ったのに、どうしてかな。
あたしの中から愛斗先輩が消えない。

別に何か特別なことをされたわけじゃないのに
胸がどきどきして、ぼーっとする。

これ、魔法?


* * * * *

更に夜が深まって、家族が帰ってきた。
今日はりさこ、何か嬉しいことでもあったの?
家族に聞かれて心底戸惑う。
顔に出ちゃってるみたい。
迷惑な魔法だ。ケーキが2個っきゃ入んない。



94 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/17(土) 22:00:36.01 0


「おじーちゃん」
食事も終わり、テレビを見ていたおじいちゃんに尋ねる。
「どうして、おばーちゃんは人間と結婚して、
 あたしやママは魔法が使えないの?」

おじいちゃんは、パイプを吸ってゆっくり煙を吐くと、
しーってしながら囁いた。


「おじいちゃんが魔法をかけたら、おばあちゃんは魔女でいることより、
 おじいちゃんと温かい家庭を作ることを選んでくれたからだよ。」


*  *  *  *

親友の愛理にも言えないんだけど、
愛斗先輩にかけられた魔法がまだ解けなくて、
胸の中がきゅるきゅるしてる。

魔女が魔法かけられたなんて、恥ずかしくて言えない。
立派な魔女になりたいけど、
この胸の温かい感覚にもうちょっと身を委ねてたいなんて
贅沢なのかな…


そんなことをぼんやり考えて、
今日も私は、前より進まないページに首を傾げながら本を紐解く。


| 愛斗×梨沙子 | 21:07 │Comment- | Trackback-│編集

(3) 55-61

20 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/17(土) 02:51:53.61 0
( ・e・)<週末は愛斗と某テーマパークへ行きます

【続きを読む】

| 愛斗×ガキさん | 18:33 │Comment- | Trackback-│編集

(3) 49-52

49 名前:05001030660001_ag[] 投稿日:2008/05/17(土) 16:01:04.27 O
屋上

「美貴先輩、何してるんですか?」
「あ、愛斗君・・・」
「なんか元気ないですね」
「ちょっとね・・・美貴のこと本当に好きなのかなって」
「エッ」
「ほら~ヨッシーてあんなじゃない、ヘタレなくせに可愛い子に目がないじゃないちょっと不安になっちゃって」
「そ、そんな事無いですよ美貴先輩スゲー綺麗だし」
「本当~」
「それにオレ、よしざーさんの事尊敬してるし、よしざーさん言ってましたよ(オレこんなんだけと美貴がいてくれるからフラフラしてられんだー)って」
「ほ、本当」
「ハイ、だから元気出して下さい」
「愛斗君って優しいね、あっ!グランド見て見て」
「エッどこですか?」

チュッ

「なっななー」
「励ましてくれたお礼、ヨッシーとガキさんには内緒ョ」
おしまい

愛斗ミキも書きたくて失礼



52 名前:05001030660001_ag[] 投稿日:2008/05/17(土) 16:22:13.63 O

「愛斗」
「ガ、ガキさん美貴先輩とはな、何も~!アッ」
「美貴先輩?」

「・・・・」



ど、どうする愛斗~ おしまい

| 愛斗×美貴 | 18:27 │Comment- | Trackback-│編集

(3) 25-30

25 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/17(土) 10:01:15.85 0

「ガキさん!!」

保健室の引き戸が、切羽詰ったようなそんな声と一緒に乱暴に開かれる。

何事か、と、室内にいた人間が揃ってそちらに向くと、応援団部の練習の途中だったのだろうか、
黒い学ランに映える白タスキと白ハチマキをした愛斗が、ひどく心配そうな面持ちで肩で息をしていた。

「あれ? 愛斗?」

今にも泣き出してしまいそうな愛斗を見て、
その場にいた保健医と数人の女子生徒は驚きで咄嗟に声が出なかったが、
愛斗にその名を呼ばれた当人は、さらっと愛斗の名を告げた。

「お、オレ…、ガキさんが怪我したって聞いて…っ」

表情と同じぐらいの心配そうな声が聞こえたときには、愛斗はもう、里沙の足元に跪いていた。

「たいしたことないってば、ただの捻挫だし」

ベッドに腰掛けていた里沙のいうように、靴も靴下も脱いだ素足の左足首には、
愛斗のタスキやハチマキにも負けない白い包帯が巻かれている。

愛斗に代わるように、里沙の足元に膝を付いて包帯を巻いていた保健医の中澤が立ち上がった。

26 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/17(土) 10:01:46.72 0

「ただの捻挫でも今夜はきっと腫れて疼くと思うで」
「えっ」

言われた当人より、愛斗のほうが驚きの声を上げた。

そんな愛斗の頭を、上からぐっ、と押さえつけ、不敵そうに口元だけで笑う中澤。

「捻挫を甘くみたらアカン。
 安静にしてやんとクセになったりもするから、今日はオマエがちゃんと送ったれよ」
「も、もちろんです!」
「ほな、あたしはこのあと職員会議あるから行くわ。
 高橋来たから、新垣は高橋にまかせて、アンタらももう帰り」

里沙に付き添っていたらしい数人のクラスメートも、
愛斗の登場と中澤の言葉であっさり出て行ってしまい、
保健室には愛斗と里沙だけが残されてしまう。

自分のことなのに、自分以外の人間だけでやりとりしているのを
口を挟むことも出来ず見ていた里沙は、愛斗とふたりきりになってようやく、
自分を見上げてくる愛斗の前髪がいつも以上に乱れていることに気付き、
怪我をした自分を愛斗がどれほど心配して駆けつけてくれたのかを悟った。

27 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/17(土) 10:02:18.91 0

ベッドに腰掛けているせいで無造作に投げ出されている包帯の巻かれた里沙の足。
それに、愛斗がそっと手を伸ばす。

「なんで捻挫なんてしたのさ?」
「…友達と喋ってて、階段踏み外したの。ドジっちゃった、アハハ」

愛斗の声色は里沙を非難するようなものではなかったけれど、
なんとなく居心地が悪くてそんなふうにおどけて言うと、
ゆっくりと頭を上げた愛斗が唇の形をへの字にして里沙を見つめてきた。

「…オレ、ガキさんが怪我したって聞いて、心臓止まるかと思った」
「そんな、それはちょっとオーバーじゃない?」
「そんくらい大事って言ってんだよ」

はあっ、と深めに息を吐き出して、愛斗の手が里沙の足を撫でる。
撫でる手の優しさから、怒っているワケではなく心配しているのだとわかって、
里沙はおずおずと愛斗の肩に手を伸ばした。

その手に気付いた愛斗が頭を上げて、言葉を探している里沙をまっすぐ見つめる。

「…あの…」
「……捻挫だけで済んでよかった」

言い淀んだ里沙に対し、愛斗が先に口を開く。

「痕が残るような怪我とかじゃなくて、マジでよかった……」

安堵を声に乗せたまま、愛斗が里沙の膝に額を押し付ける。
顔が見えなくても、里沙には愛斗がどんな顔をしているのかがわかって、
自分がどれほど想われているのかを改めて実感する。

28 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/17(土) 10:02:40.60 0

汗で湿っている髪の中にそっと手を差し込む。

「…ごめんね」

ぽつりと声を出すと、愛斗が不思議そうに顔を上げた。

「心配かけて、ごめんなさい」

謝られるとは思ってなかったのか、愛斗はその大きな目を更に大きく開いて、
けれどすぐに、いつもの柔らかな優しい笑顔になった。

髪に差し込まれた里沙の手を掴み、その手を自身の口元まで導いて指先にキスをする。

「…っ」

突然のことに声を詰まらせた里沙に構わず、
手を掴んだままゆっくり立ち上がって愛斗は里沙の隣に腰を降ろした。

心配させてしまったことと、指先という思いがけない場所にキスされたことで、
隣に座ったのに、里沙は愛斗の顔が見れなかった。

「ガキさん」
「な、なに?」
「なんでこっち見ないの?」
「なんで、って…だってなんか、恥ずかしい…」

そんなふうに言ったあと、掴まれていた里沙の手が少しだけ強く握られた。

「……そーやって、可愛いこと言うなよなー」
「はっ?」

29 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/17(土) 10:03:01.35 0

いきなり意味不明なことを言われ、咄嗟に俯き加減にしていた顔を上げて愛斗を見ると、
それを待っていたかのように唇を掠め取られる。

「ちょ…っ」
「…怪我してるんだから無理させたくないって思ってんのに、こういうことしたくなるだろ」
「か、可愛いって、あたし、別に…っ」

恥ずかしくて顔に熱が集まるのがわかる。
愛斗の顔付きが、また嬉しそうに緩む。

「ほら、そういうの」
「そ、そういうの、って…」
「何やっても可愛いからダメ」
「ダメとか、意味わかんな…っ」

言葉尻を奪うようにまたキスされて、それもただ押し付けるだけの優しいキスではなくて。

「……ん…」

唇の端から漏れる自分の声がなんだかいやらしく聞こえて、思わず愛斗の学ランを掴む。
と、静かに、けれど名残惜しそうに愛斗が離れた。

「…えっち」
「ガキさんに対してだけな」

お互いの額を合わせ、しばらく見つめ合って。
どちらからとなく、再び唇を重ねた。

お互いに顔の至るところすべてにキスをして、ゆっくりと抱き合う。

30 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/17(土) 10:03:20.57 0

しばらくそうやって愛斗の胸に寄りかかるようにしていた里沙は、
ふと、さっきの中澤の言葉を思い出した。

なんとなく、嫌が予感がした。
まさか、まさか、ねえ?

「…ねえ、愛斗」
「うん?」
「あたしのこと、どうやって連れて帰るつもりなの?」
「おぶってく」

嫌な(というより恥ずかしい)予感的中。

「それはやだっ」
「何言ってんだよ、それ以外にどんな方法があんだよ」
「…お、お母さんに迎えに来てもらう…」
「ダメ。中澤先生に、オレが送ったれって言われた」
「やーだーっ」

里沙の反論は、愛斗の固い決意の前では虚しく響くだけだった。






おわれ

| 愛斗×ガキさん | 12:30 │Comment- | Trackback-│編集

(2) 917-920

917 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/15(木) 20:14:10.40 0
 
 
 
神様はイジワルだなぁって、さゆみ思うの。
もしかしたら神様なんていないんじゃないかって、そこまで思っちゃう。
だって…

 


「あ、さゆみんだ」
「ほんとだ。さゆー」

ほら。そんな風に簡単に名前なんて呼ばないで。
その度にさゆみの心がドキッとして、愛斗先輩しか見えなくなるのに。

「今日もラブラブですね、お二人さん」
「ちょっ、さゆみん!!」
「いいだろー」

なぁガキさん。とか何とか言っちゃって。
眩しいくらいの笑顔をガキさんに向けるんだもん、それさゆみにも見せて欲しいなって、
…まぁ言える訳ないんだけど。



918 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/15(木) 20:14:30.88 0
 
「さゆはここで何してたの?」
「ちょっと絵里が先生に呼ばれてるんで、待ってるんです」
「そっかぁ」

上手く笑えてるかな。笑えてるよね。
さゆみかわいいし、笑顔には自信あるもん。
愛斗先輩には全然通じてくれないけど。

「まぁたカメ遅刻したなぁ~」
「さすがガキさん、よく分かりましたね」
「えー。あの子って遅刻するんだ?」
「もうしょっちゅうですよ」

3人で仲良くお話。
そう、さゆみはただの仲の良い後輩。
それ以下でもそれ以上でもない。ちゃんと分かってる、大丈夫。
邪魔しちゃいけないの。2人は今とっても幸せで、
さゆみが入る隙間なんて、1ミリだってないんだから。


919 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/15(木) 20:14:55.19 0
 
 
あ、愛斗先輩の制服にゴミがついてる。


どうしよう。言ってもいいのかな。取ったりしたらダメかな。
ガキさんがそこにいるのに、触ったりしたらダメだよね。


「あ、愛斗ゴミついてるよ?」
「え、うそ。どこ?」
「ちょっと待って。今取るから…ん、取れた」
「ありがとー」

取っちゃった…。
あーあ、さゆみが取れば愛斗先輩に触れたのに。
所詮さゆみは理由が無かったら愛斗先輩に触ることすら出来ないなんて。
でもいいのそれで。さゆみは2人が大好きだから。
2人が付き合ってること、ほんとに祝福してるから。

「ちょっとカメの様子見てくる。2人はそこで待っててね」
「え、ガキさん?」
「すぐ戻ってくるから」

やっぱり神様はイジワルだ。
今更2人きりになれたって切ないだけじゃない。
もっと感情を隠さなくちゃいけないじゃない。
それってすごく胸が苦しくなるの。神様は知ってる?


920 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/15(木) 20:15:16.60 0
 
「さゆは絵里と仲良いんだね」
「…絵里の面倒は疲れますけどね」
「そんな事いうなよー」
「でもさゆみと絵里はラブラブですよ。愛斗先輩達に負けないくらい」
「ま、負けないよ?俺たちだって…たぶん」

もぅ。さゆみ相手に顔赤くしないで下さい。
ますます好きになっちゃう。責任なんて取れないくせに。
さゆみのことなんて、何とも想ってないくせに。
さゆみの気持ちなんて、…知らないくせに。

「じゃ、さゆみも絵里のとこに行きますね」
「え?俺一人でここにいんの?」
「ちゃんとガキさんはお返ししますよ。大事な彼女さんですから」

あーあ、もっと一緒にいればいいのに。バカだなさゆみ。こんなチャンス滅多にない。
自分から離れるなんて、どうかしてる。
でもこれでいいの。長くいたら言いたくなっちゃう。

好き、って。

ガキさんがいるの分かってて、壊したくなっちゃう。
愛斗先輩が困るの分かってて、言いたくなっちゃうから。


最低。こんなさゆみ、愛斗先輩が好きになるわけないじゃない。
顔はかわいいのに、性格はかわいくないなんて。
やっぱり神様はイジワルだ。


―おしまい―

| 愛斗×さゆ | 23:34 │Comment- | Trackback-│編集

(2) 858-864

858 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/14(水) 23:38:34.48 0
 
「まだかなぁ…」

里沙は教室で一人待っていた。
友達も誰もいない教室。もちろん愛斗もいない。
愛斗は今部活中だ。

「…おっそーい」

特に約束をしていた訳でもないのに、里沙は愛斗を待っている。
時計は5時をまわった。もうそろそろ来るだろうか。

「また誰かと喋ってんのかな。あーあ、メールしとけばよかったぁ…」

ていうか帰った方がよかったかな。里沙は少し後悔すらし始める。
家だって隣なのだから、会おうと思えばいくらでも会えるのに。
どうして、それまで待てなかったのか。

「…別に、気にしてなんかないし」

今日、用事で3年生の校舎に行った時、先輩と思われる人達が話しているのを聞いてしまった。
聞くつもりはなかったが、会話の途中で「愛斗」の名前が聞こえた時、
里沙の耳には嫌でもその会話が聞こえてきた。

『ちょーかわいいんだよね。告白しよっかな』
『しちゃえ、しちゃえ』
『でもフラれたら最悪じゃん』
『だいじょぶだって。いけるいける』


859 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/14(水) 23:38:59.40 0
 
どうやら愛斗のことが好きらしい。
その先輩はとても綺麗な人で大人っぽく学校でも有名で、とにかく自分とは大違いな人だった。

「…いいもーんだ」

嘘。本当はよくない。出来れば告白なんてしないで欲しい。
きっと大丈夫だって、分かってるけど。

「あれ、ガキさん?」

ふいに教室のドアが開く。
部活が終わった愛斗が鞄を取りに来たのだ。

「何してんの?」
「…待ってたの」
「ずっと?」
「…そうだよ」
「言ってくれれば良かったのに」
「…そうしようかとも思ったんだけどさ」

ま、いいじゃん。と言って里沙は鞄を持って帰ろうとする。
愛斗も急いで準備をして里沙を追いかけた。

「…何かあったの?」
「なんで?」
「いつものガキさんじゃない」

里沙の異変に気付いた愛斗は里沙の手を取って自分の方へ向かせる。
いつもと様子の違う里沙に、愛斗は真剣な顔で問う。



861 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/14(水) 23:39:24.82 0
 
「どーしたの」
「…なんでもないから」

聞けば聞くほど里沙は突き放すような態度を取る。
何か怒らせてしまったのかと、考えてみるが心当たりがない。
仮に怒っていたとするなら、どうして自分の帰りを待っていたんだろうか。
まったく理由が分からないけど、放っておけるはずがない。

「ちょっ…」

愛斗は里沙を抱き締めた。
どうせ誰もいないし、たとえ誰かいたとしても構わない。
里沙より優先する人なんていないのだから。

「俺、なんかした?」
「…してないよ」
「じゃあどうしてそんなに元気ないの?」
「……」

愛斗が聞くと、里沙はついに黙ってしまった。
けど抱き締められた腕に力が入っている。
しばらくそのままでいたが、愛斗は里沙の顔を覗き込もうとした。
だが、里沙に顔を隠すように強く抱きつかれてしまい、顔が見れなかった。

「ガキ、さん?…」
「…もぉヤダ…」
「え?」
「こんなんじゃ愛斗と付き合っていけないよ…」


862 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/14(水) 23:39:50.64 0
 
涙声が愛斗の耳に響く。
突然のことにびっくりした愛斗は強引に里沙を引き剥がして顔を見た。
里沙の目には今にも零れそうなほどの涙が浮かんでいた。

「ちょっ…え、なんで?どーしたんだよ!?」

訳が分からない愛斗はつい大声で里沙に訊ねる。
里沙は首を横に振るだけで何も言わない。

「…何があったの?」

再び里沙を抱き締めて、今度は出来るだけ優しい声で訊ねる。
髪を撫でて、背中をトントンと叩く。

「……あのね」

里沙が口を開いた。
それと同時に愛斗の背中に回された腕に力が篭る。
愛斗は黙って里沙を抱き締め返した。

「…今日、先輩が愛斗の話してたの」
「うん、で?」
「好きなんだって。…愛斗のことが」
「…それだけ?」
「告白、するみたいだよ?」
「そんなの、断るから」
「……すっごい綺麗でかわいい人だった」
「俺はガキさん以外興味ないよ」
「…そんなの分かんないじゃん…」


863 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/14(水) 23:40:33.57 0
 
自分は愛されていると分かっていても、不安になる時だって当然ある。
ましてや自分より遥かに魅力的な人がいたら尚更だ。
愛斗の側にいる人間が本当に自分で良いのか、里沙は分からなくなる。
好きだと言ってくれているのに、どうしようもなく不安になる。

「好きだよ」
「…愛斗?」
「俺が好きなのは、ガキさんだけだ」
「……」
「他の女なんてどうでもいい」
「……」
「だからそんなに心配すんな」
「…うん」

優しい愛斗の声に、里沙は泣いてしまった。
さっきまでの不安が嘘のように消えて、涙となって零れ落ちていく。
愛斗はそれを指で優しく拭った。

「泣くなよ」
「…だってぇ」
「不安だったんだ?」
「うん…」
「ごめんな。不安にさせて」
「ううん、あたしが勝手に不安になってただけだから…」


864 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/14(水) 23:40:53.92 0
ごめんなさい、と里沙は愛斗に言った。
愛斗は笑顔で里沙を抱き締める。
そのまま顔を近づけて唇を合わせた。
何度も何度も唇を合わせる。里沙が不安にならないように。
里沙もそれに答えるように唇を合わせた。

「愛斗ぉ」
「ん?」
「…好きだよ」
「俺も。俺もガキさんが好き」
「…知ってるよ、そんなの」
「さっきまで不安で泣いてたくせに」
「もう不安じゃないもん」
「お、言ったなぁ」
「言ったよ?」
「もっと自信持っていいよ。俺はガキさんだけのものだから」
「…うん」
「俺、札でも付けておこうかな。新垣里沙の彼氏ですって」
「えぇ?ヤダそんなの」
「そしたら誰もそんな事言ってこないじゃん」
「…でもそれ、あたしまで恥ずかしいんですけど」
「じゃどーしよっか」
「別に何もしなくていいから…」
「わかった、毎日好きって言ってガキさんにちゅーする!」
「えぇ!?ほんとに?」
「うん。だからガキさんも俺に好きって言ってちゅーしなきゃダメだよ」
「なんであたしまでしなきゃなんないのよぉ」
「よし、決まりな。今日からだぞ」
「え、うっそ。ほんとに?」


―おしまい―

| 愛斗×ガキさん | 01:16 │Comment- | Trackback-│編集

(2) 841-845

841 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/14(水) 20:13:57.90 0
841粒目:はじめてのしっぱい

学校が終わり、貯めたお小遣いを手に、今日も
このブログでおなじみのあの店に行ってきました。

でも、ドアを開けると、今日もあの先客がいました。
その人はレジの前を陣取り、私を見下ろします。
いや、見下すという表現こそ相応しいですね。

「あーら、花音ちゃん、お・ひ・さ」
「お久しぶりです、ニイガキさん」
わたしたちの間の見えない電撃の応酬を断ち切ったのは、その争いのタネ自身でした。


「あー花音ちゃん。一人で来たんだね~」
だまって頭を垂れ、その温かい手をこの身に受けます。
花音の至福のときです。
ふふふ…ニイガキさんのあの悔しげな顔。
花音は彼女に一つ微笑みをくれてやると、全神経をこの手に集中させました。

「安倍さん、また来ちゃいました」
手が離れたところで、すかさず微笑む。
そしたら花音はかわいいねぇ、なんて言われて。ふふふ…

安倍さんは天使!花音には安倍さんの天使の羽が見えます!
安倍さんのトレカを勝手に作って、羽を作って私も一緒に空を飛びたい!
あ、何言ってるんでしょうか?とにかく安倍さんは天使なんです!!


842 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/14(水) 20:14:25.40 0
でも、今日は一ついつもと違うことがありました。
店の奥、普段は花音しか見ないような
レトロなレコード売り場にも先客がおられたのです。

私はニイガキさんに安倍さんを貸与すると、
その方のところに足を運びました。
その殿方はとても難しい顔でレコードを選定しておられます。
あ、それ、花音の好きな舞台のサウンドトラックです。

「ん?こんにちわ」
そう言いながらその方は花音に笑いかけました。
その顔たるや、今までに出会ったどんな方よりも美しく、
花音は呼吸さえ忘れました。
女性で一番が安倍さんならば、男性で一番はこの方でしょう。
安倍さんが天使ならば、
この方は、王子と、そうお呼びしたいです。

王子は花音にお先にありがとう、と言ってレコードを手渡されました。
花音はそれを買ってかえってしまいました。もう持っているのに。

安倍さんに返品のお願いをしたら間違うなんて珍しいってお言葉を頂きました
珍しくなんかありません。
それは、初めての経験でした。


843 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/14(水) 20:15:13.34 0
843粒目:イチゴ王子

お母さんに頼まれて、スーパーに行ってきました。
頑張ったら、イチゴを買っていいと言われて、
花音は本当に嬉しかったんです。

カートを転がして、メモを見て、カゴに入れていきました
そして、最後にイチゴのコーナーへ。
ありました。イチゴ。
わーい!と思って手に取ろうと思ったとき、
同じイチゴのパックに誰かが手をかけました。

「あー安倍さんとこで逢った」
なんという運命のいたずらでしょうか。
花音はもう一度、王子(>>842粒目参照)とお出会いしました。
「お遣いか?エライのー」
少しずれた標準語。花音への必要以上の子ども扱い
王子は、こんなところまで、安倍さんと同じでした。

844 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/14(水) 20:15:37.83 0
店を出た花音は、
小さな棒つきキャンディー(イチゴ味)を
王子に渡され、ご一緒させていただきました

【不審者についていかない】
昨日のブログでも紹介しましたよね。
でも、この方がどうして、不審者と思えるのでしょうか。
それに、ついていくんじゃなくて、王子はうちの前にきて下さったんです。


王子はとても興味深い話ばかり聞かせて下さいます。
花音の学校ではとても教えて貰えないような深い歴史
花音が物心つく前の素敵な舞台のお話
好きなものが似る、というのは幸せなことなのですね。


「オレんちもこっちやからさ、荷物持つで。」
重たくて花音だけでは辟易してしまいそうな買い物の荷物を
王子は全て意図も簡単に花音の家まで運んで下さいました。

その道すがら、
王子の口に含まれているのは、イチゴのキャンディ。
花音が頂いたものと同じ、甘い香り。

【イチゴ王子】

これから心の中ではそう呼ばさせて頂きます。


845 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/14(水) 20:16:00.69 0


でも、イチゴ王子のおかげで、
乗ってきた自転車をスーパーに忘れてきました。
こんなの初めて…いや、この間と合わせて二度目になりますね。


一体、イチゴ王子はどこのどなたなのでしょうか?


それがわかったら、またブログでみなさんにおしらせしますね★


| 愛斗×花音 | 22:57 │Comment- | Trackback-│編集

(2) 803-807

803 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/14(水) 01:05:46.58 0
「あ、まつーらさんや」
そう言って振り返ると、隣のクラスの高橋愛斗。
キャーあやや様と愛斗君が話してるよー
そんな声が至る所から聞こえる。ばっかじゃないの。
人に憧れてる暇があるなら自分を磨きなさいよ。

「荷物、重くない?持つで?」
歯が浮くような台詞を軽々しく言って、高橋愛斗は私の荷物に手をかけた
「平気。気にしないで。これくらい持てないと生徒会長なんて出来ないから。」
努めて冷たい声で言ったにも関わらず、高橋愛斗はにっこりと、わかったーと言った。
舌足らず、言葉足らず、身長足らず。
アタシはもっと知的な人が好きなの。そうじゃなきゃアタシに釣り合わない。

「いつもお疲れ様。頑張ろなー」
去り際に、特別の笑顔と共に高橋愛斗に言われた言葉。
ばっかじゃないの。アタシが好きになるような器の男じゃないのに。

804 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/14(水) 01:06:13.82 0
一年前
「松浦ならできる」「あやや様は完璧だよね」「さすが、松浦さん」
その言葉達が、いつからだろう重みに変わってきてた。
実際、今までアタシも大した努力もせず、いろいろ出来たんだよ。
その均衡がいつからか崩れた。
アタシを満足させていた名声や地位は、いつからか足かせでしかなくなってた。

「愛斗くん」「高橋はしゃーないな」「でも憎めない」
同じように、いつもみんなの話題の中心にいたのが、高橋愛斗だった。
確かに顔はカッコいいけど、肝心なところでダメだったりする。
へらへらしてて、アタシとは合わないだろうな、そう思って一線を引いてた。

アタシはあんたと同じようになるためにいろいろ努力してる。
生徒会の仕事も、クラブも、勉強も、友達も。
何もせずに、むしろ何かして出来なくても許されるアンタが許せなかった。

そんなアンタとアタシに変化が起きたのはあの雨の放課後。



805 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/14(水) 01:07:25.91 0
その日はなんちゃらたいふーんが来て、学校はお開きになった。
でも、日付は待ってくれない。明後日までに求められてる予算編成。会計としての重責。
アタシはこっそりと校舎に残り、軽く仕事を済ませると、残りを包んで、学校を出た。
もう、すごい風と、雨。
資料が濡れては困ると、きつく抱きしめ、道の端を歩く。
傘の意味なんてないじゃん、そう思っていたら、強風に煽られ体が傾いた。
傘の意味あるわ…悪い作用で。アタシは半ばおかしくなって受身も取らずにそのまま倒れようと思った。
だってほら、今アタシ誰にも見られてない。

そんなアタシの思惑は二重に外れた。
倒れなかったことと、人が見ていたこと。

「だいじょぶか?傘の意味ないなあ」
なんかくしゃくしゃした笑い顔でアタシの体を支えていたのは高橋愛斗だった。
濡れるなー。そう言いながら彼はアタシが落とした荷物を抱えると、
資料を抱きしめたままのアタシを誰かの家の軒下に導いた。

「ごめんなー。オレ濡れてたから、まつーらさんの背中ちょっと濡らしちゃったんよ」
その言葉になんだか笑いがこみ上げた。
そんなこと謝らなくて良い位、アタシもアンタも既にびしょびしょだから
特に高橋愛斗は、カッパを着ているくせにずぶぬれだ。
フードを脱いで、服をぱたぱたし始めた。あれ?アンタ濡れてんじゃなくて、それ汗?


806 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/14(水) 01:07:48.38 0
「アンタ、こんな中でどうやって汗かいたわけ?」
「んーじしゅれーん。走ってた。何もせんかったら、体鈍る気がしてさ。」
だからって、こんな雨の日に?

「ほら、オレさ、背ちっちゃいし、テンぱって失敗したりするから…」
せめて、自主連はいっぱいしたぞって思ってそういうのちょっとでも克服したいなって。
そう言って笑う高橋愛斗は悔しいくらい輝いてた。
雨を受ける彼の顔は、アタシにはない煌きに満ち溢れていた。これが…

「でもさーオレ、松浦さん見てたらもっと頑張らないとって思うよ」
「え?」
「だってめちゃくちゃ努力してるじゃん。」
「アタシは別に…」
「だって、どんなに練習遅く終わっても生徒会室電気ついてるし、
 走って帰ってきたら、塾から出てきてるしさ…」
それはよく聞く賛辞とはかなり味が違った。彼は、アタシのプロセスを褒めていた。

「でも、そーいうのもかっこいいんだよね。結果で語るみたいなとこ。
 オレ、松浦さんみたいに努力を努力と思えないような人間になりたい!」
それはあんたじゃない。そんなボロボロになるまで使われたスニーカー初めて見たよ。

「そーよ…アンタも頑張りなさい」
「うん、頑張る。松浦さんも、頑張ってな」
それは、今まで聞いたどんな「頑張って」よりも重みのある言葉だった。


807 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/14(水) 01:08:08.46 0

くだらない同級生の噂によると、高橋愛斗と新垣里沙はようやくと付き合い始めたらしい。
アイツもヘタレだが、あちらもかなりのニブ子ちゃんだ。
良かった、彼女ができて。
そうじゃなかったらアタシが一時の感情にほだされて、クダラナイ青春送ってたかもしれない。

―そう、良かったんだ、これで。―


どんどんどん!はっ!はろお!!どんどんどん!はっ!こうこー!!



今日も生徒会室には、応援団の練習の声が響く。
太鼓の音よりも大きい、団長の声。
ホントは苦手なくせに、頑張って後輩を怒ってる。

その声をBGMに、私は自分で持ってきた文献を頼りにして資料をまとめた。

| 愛斗×亜弥 | 02:06 │Comment- | Trackback-│編集

(2) 794

794 名前:从´ヮ`)[] 投稿日:2008/05/13(火) 23:39:22.25 O
「にーちゃん、何見てんの…?」

「見て分かるやろ、エロビデオ♪愛斗も一緒に見るか?」

「そんなもん見ないよ」

「…彼女とヤってるからビデオなんて必要なし?」

「なっ///」

「おっ、図星?」

「ちげーよ!!まだ…」

「……ヤッてないんか?」

「……ちゃんと満足させてやれるのか自信がない。」

「まじかよ、タカ様が教えてやろうか?」

| その他 | 02:06 │Comment- | Trackback-│編集

(2) 764-770

764 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/13(火) 23:03:06.49 0
 
「ちょっと…大丈夫?」
「…ムリ、痛い」

ここは保健室。
昼休みに教室で友達と騒いでいた愛斗だが、運悪く背中をロッカーに強打してしまった。
それを見た里沙が慌てて保健室へ連れてきて今に至る。
だが、肝心な先生がいない。机には「只今会議中」との札が立てられていた。

「先生、こないね」
「うん」
「…あたしが手当てしよっか」
「え、ガキさんが?」
「なによぉ。あたしだってそれくらい出来ますから」
「ほんとかよぉ」
「言ったね。んじゃどれだけ出来るか見せてあげるから。あ、制服脱いでね」
「え、あ…う、うん」

言われた通りに制服を脱ぐ愛斗。だがシャツは着たままだ。

「ちょっと愛斗。シャツも脱がなきゃ見えないじゃん」
「あ。そ、そっか…」

脱いで、と言われると何故か恥ずかしさが込み上げてくる。男のくせに。
意識しすぎてるせいだろうか。
愛斗はしぶしぶシャツを脱いで里沙に背中を向ける。


765 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/13(火) 23:03:29.94 0
 
「はい」
「よし。あー、やっぱり擦りむいちゃってるね」
「血ぃ出てる?」
「ちょっと…滲んでるかな。消毒するね」
「え、ヤダ!!痛いじゃん!!」
「何子どもみたいな事言ってんの!消毒しなきゃダメでしょーが!!」
「マ…マジで…」
「ほらさっさと背中向ける!」
「うぁ~イヤだぁ」

里沙は消毒液を取ってくると、ガーゼに浸して傷口に付けた。
愛斗の背中に何とも言えない痛みが走る。

「いってぇ!!」
「我慢しなさい!!」
「ちょ、ムリムリ。マジで痛いから!!」
「もぉ!動かないで!すぐ終わるから!!」

よし、これでいっかな。と里沙が手当てを終え、道具を片し始めた。
愛斗は余程痛かったのか、そのままの格好から動かない。

「何してんの。早く服着てよねぇ」
「…やだ」
「はぁ!?もぉ午後の授業始まっちゃうってば!!」


766 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/13(火) 23:04:07.08 0
 
ほら!などと言いつつ、里沙は脱ぎっぱなしのシャツを愛斗に渡した。
愛斗はそれを受け取るが着ようとしない。
呆れた溜息をついた里沙が着させようとシャツを広げると、愛斗に腕を掴まれた。

「ちょっ…愛斗?」

里沙は座っていた保健室のベッドに押し倒されてしまう。
びっくりして愛斗を見上げると、真剣な顔でこちらを見ていた。

「…な、なに?」
「俺の裸見てさ…何とも思わない?」
「なっ…なによいきなり」
「俺は見せるの恥ずかしかったのに…ガキさん全然普通なんだもん」
「…そっ、それはさぁ…」
「魅力ないの?俺って」
「ちょっ、違うから!そんな事ないよ?ほんとに」

大体あたしは手当てでそれどころじゃなかったの!!と大きな声で里沙は言う。
だが愛斗はまだ信じられないのか、拗ねた顔で里沙を見ている。


767 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/13(火) 23:04:46.58 0
 
「じゃ、今は?」
「は?」
「今、俺の裸見て、どう思う?」

そう言われて里沙はまじまじと愛斗の上半身を見てしまう。
しかも押し倒されたこの状態で裸って…そこまで考えたら顔に熱が集まるのを自覚した。
里沙は慌てて頭を振って行き過ぎた妄想を振り払う。

「…変な事言わないでよ。ここ保健室だよ?」
「知ってるよ。んで、どう思ったの?」
「……」

「別になんとも」なんて言えないし、「イヤラシイ事考えてました」なんてもっと言えるはずがない。
困った里沙は顔を背ける。熱はまだ引いてくれない。

「ガキさん顔赤いよ」
「…だ、誰のせいだと思ってんの…」
「ドキドキした?」
「…し、した…」

結局、里沙はそう答えるのがいっぱいいっぱいだった。
愛斗はそれで満足したのか、そのまま抱き締めてくる。
いつもなら里沙も愛斗の背中に腕を回すのだが、今日は意識してしまって出来ない。


768 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/13(火) 23:05:09.63 0
 
「なんだよ、俺だけかよ舞い上がってんの」
「……は、恥ずかしいの!!」
「ふは。マジっすか」
「愛斗がいきなり変な事言うからさぁ!!」
「ごめんって」
「ほんと、いい加減にしてよねぇ…」

愛斗は笑いながら里沙の髪を撫でていたが、里沙の腕を掴むと、自分の頭に持ってきた。
撫でろ、と催促をする。
里沙は愛斗が自分にしているのと同じように愛斗の髪を撫でた。
甘ったるい空気が2人を包む。

「キスしてもいい?」
「…いいよ」
「授業始まっちゃったね」
「愛斗のせいだよ」

ただ眠いだけの授業なんてどうでもいい2人は、お互いを見つめながら顔を近づける。
先に里沙が目を閉じると、続けて愛斗が目を閉じて唇を合わせる。
愛斗は里沙の顔を手のひらで包み、里沙は撫でていた手を愛斗の首に回した。

「んんっ…」

しばらく唇を合わせていると、愛斗の舌が里沙の唇を突く。
一瞬里沙はびっくりするが、少しだけ口を開いてそれを受け入れた。
愛斗のそれが里沙の口の中で暴れる。


769 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/13(火) 23:05:40.10 0
 
「…んっ…」

しばらくして息苦しさから顔を離すと、里沙が愛斗を睨んできた。

「…もぉ」
「お、怒った?」
「…どこで覚えてくんのよ、こんなの」

どうやら本気で怒っているわけではないらしい。愛斗は少し安心した。
首筋に顔を埋めて、そこら中にキスをする。

「ちょっ…くすぐったいってば」
「我慢して」

身を捩って逃げようとする里沙を押さえつけて愛斗は強引にキスを繰り返す。
気が済むまでキスをして里沙を開放すると、ぺしっと頭を叩かれた。

「いてっ」
「もぉ。こんなことする為にここ来たんじゃないでしょ」
「いいじゃん別に」
「よくない!もう背中痛くないの?」
「ん。平気」
「ほら、早くシャツ着て!風邪引いちゃうから!」
「…はい」


770 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/13(火) 23:06:03.76 0
 
今度こそ愛斗は里沙の言う事を聞いて制服を着始めた。

「…授業どうする?」
「てかもう帰ろうよ」
「えぇ!?帰っちゃうの?」
「こんなとこいてもつまんないし、俺は早くガキさんと帰りたい」
「鞄どーすんのよ」
「大丈夫、今体育だから」

そう言って愛斗は里沙の手を取ると保健室を出て教室に向かった。

…保健室の入り口から少し離れたところで入るに入れなくなった先生がいたことも知らずに。


―おしまい―

| 愛斗×ガキさん | 02:04 │Comment- | Trackback-│編集

(2) 710-712

710 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/13(火) 21:14:14.09 0
愛斗が熱を出した。

学校帰りに家に寄って、そっと部屋に入ったら愛斗はぐっすり眠ってて。
寝息は穏やかだけど、熱のせいかほっぺは赤くて、少し伸びた前髪の透き間からは冷えピタが見えた。

どれくらいの熱なんだろう、と思いつつおそるおそる愛斗のほっぺを撫でてみる。
起きちゃうかな、と思ったけど、愛斗は目を覚まさなかった。
でも、思ってたより触れた手に熱は感じなくてホッとする。

ベッドの脇に腰を下ろし、愛斗のほっぺを撫でながら汗で湿っている前髪をもう一方の手で梳いたら、
それまで閉じられていた瞼がゆるりと持ち上がった。

「…あ、ごめん、起こしちゃった?」
「……ガキさん…?」
「うん」
「……あれ? 学校は?」
「もう終わったよ、帰りに寄ったの」
「そっか…」

薄く開かれていただけだった瞼がまた閉じられる。

711 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/13(火) 21:14:50.00 0

「愛斗、つらいの?」
「…ん…、ぼーっとする…」
「そっか…」

つらそうな小さな声に心配が込み上げてくる。
優しい愛斗のことだから、どんなに体がつらくても、泥のように眠っていたくても、
あたしがそばにいたらきっと無理してでも起きようとする。

それがわかったから、愛斗のほっぺを撫でてた手を離そうとしたのに。

「…ガキさんの手、冷たくて気持ちいい…」

目を閉じたまま、だけど口元は嬉しそうに、離そうとしたあたしの手を上から包み込むような掴まえる。

「…なあ、まだ帰んないでよ」
「え?」
「もうちょっと、ここにいて…」

熱のせいで潤んだ目で見上げられて返す言葉に詰まる。

「……ちょっとで、いいの?」

なのに、あたしの口から出る言葉は素直じゃない。
甘えてくれて嬉しいのに。
頼られてるみたいで嬉しいのに。

712 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/13(火) 21:15:11.47 0

そんなあたしの気持ちを察しているのかそうでないのか、愛斗がふにゃり、と笑う。

「…じゃあ、オレが眠るまでここにいてよ」

そう言って、ほっぺを撫でてたあたしの手のひらに唇を押し付けた。

「…ちょ…っ、何すんの…」
「…だってオレ、起き上がれないから…。でも、ガキさんにちゅーしたいし」

拗ねたように唇を尖らせた愛斗が、じっとあたしを見つめてくる。

熱で潤んだ蕩けるような目でまっすぐ見つめるなんて、ずるい。
そんなふうにされたら、なんでもしてあげたくなっちゃうでしょーが。

「……と、特別だからね?」

身を乗り出したあたしに愛斗が嬉しそうに、でもちょっと照れくさそうに笑って頷いた。

そんな顔も好きって、いつかちゃんと、言えたらいいな。




おわれ

| 愛斗×ガキさん | 02:02 │Comment- | Trackback-│編集

(2) 654-658

654 名前:p6173-ipad02osakakita.osaka.ocn.ne.jp[] 投稿日:2008/05/13(火) 00:06:41.69 0
なんかこんなつもりじゃなかったんだがなち愛斗が書けたからあげます


「久しぶり、ガキさ~ん」
「あべさーん」
そう言って彼女の腕の中に包まれるのは、私の至福の時。
彼女は安倍さん。私の憧れの人で、楽器屋さんに勤めてる。
私には天使の羽が見えるのだ。彼女のトレカを勝手に作って、羽を作って私も一緒に空を飛びたい
何言ってるのか自分でもわからないけど、とにかく、あべさんは奇跡!

「ねーガキさんって波浪高校だったっけ?」
「ハイっ!そぉなんですよー」
なんてことだ、感激だ!!私の学校を安倍さんが覚えていて下さるなんて…
今日は赤飯だ!キャビアは飽きた!日記はもう、5ページ書こう!
しかし、私は次の一言で真っ青になる

「ガキさんの高校の応援団長のことなんだけど…」


655 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/13(火) 00:07:19.24 0

その日の夜、愛斗の部屋
「お願い!!安倍さんと一回デートして!」
何度も頼んでいるのだが、愛斗は一向に首を縦に振らない。それどころか、段々と顔が険しくなる

「一回で良いから…愛斗?」
「…わかったよ…」
「ホント?良かったぁ!」
愛斗に連絡先を赤外線で送り、私は愛斗に背を向けて、安倍さんにメールを打ち始めた。
デコメールデコメール!
静かにそれを見ていた愛斗は携帯を握っていた私の手を強引に引き寄せ、そのまま床に押し倒した。


「ちょ!なにすん…ふあっ…」
普段何をするのにも優しい愛斗からの、強引なキス。頭が痺れて言う事をきかない。
解放されてからも、恥ずかしくて愛斗の目が見れず、息を整えた
「…オレが、誰かとこんなことすることになっても、良いわけ?」
「何言って…」
絶句する。愛斗は怒っていた。見たこともない激しい顔で。
それは少しずつ、崩れて、泣きそうなのを堪えるように唇を噛むと、私の上からどいた。

「強引にしちゃって、ごめん。頭冷やしてくるな…」
「愛斗待って」
愛斗の腕を掴もうと伸ばした手は、空を掴んだ。
「だいじょぶ、オレちゃんと安倍さんと逢えるから。」
完璧で、それでいてどこか心の無い笑顔を私に贈ると、愛斗は財布を持って家から出て行った。
ここ、愛斗のうちなのに…

656 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/13(火) 00:07:43.71 0

「あ、お早う、えっと…」
「あ、高橋愛斗って言います。新垣さんから、話は聞いてます。今日はよろしくお願いします。」
自分は一体何をしているんだろう…日時と場所はそれとなく安倍さんから聞き出すことが出来た。
セッティングしたのは私なのに、不安になる権利なんてない…それなのにこうやって後なんてつけて…

愛斗は実に上手く立ち振る舞った。
車道側を自分が歩いたり、面白い話をしたり、彼女の服装を褒めたり。
―全部、私が愛斗に注意してきたこと…―
愛斗がまるで愛斗でない他の人のように見えた。

夕暮れが宵に姿を変えても、二人は離れようとしなかった。
それどころか、二人の距離は徐々に縮まる。
「座って話、しませんか?」
愛斗の提案に、安倍さんは頷くと、二人は公園のベンチに腰掛けた。
あまり近づくとバレてしまう。声が届くか届かない場所の茂みに身を隠した。

二人はしばらく独特の笑い声を響かせていたのに、ふと、静かになる。真剣に互いを見つめあう。
私は、茂みの中でうずくまった。愚かだった、本当に愚かだった。
ホントに大事なものが見えていなかったんだ。

「愛斗…愛斗ぉ…」
私は地面を掴んだ手の上に、雫が落ちるのを感じた。涙だ。
安倍さんを悲しませたくない一心で、私は一番大切なものを失ってしまったんだ。
祝福できるの?安倍さんと愛斗を。ううん、もう私愛斗に逢う資格なんてない。



657 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/13(火) 00:08:06.34 0

「何やってるがし、ガキさん」
その声に顔をあげると、ちょっと怒った顔の愛斗がいた。
私はどうして良いか分らず、とりあえず逃げたくなって動くとよろめいて尻餅をついた。
「アッヒャー!」
愛斗は一しきり私を見て笑うと、私に手を貸した。私は困惑しながらも、その手を取った。

「おったんなら、出てくれば良かったやん」
「な、そんなこと…」
二人が付き合うところなんか、見れない。それが罰なら、見なければならないけど。
「安倍さん良い人やった。さすがガキさんの憧れの人やな…って、何泣いてるがし?」
愛斗が涙で歪んできた。ああ、もう、止まってよ…

そっと、温もりに包まれる。愛斗に抱きしめられた。恋しい。でももう…
「愛斗、だ、ダメだよ」「なんでや!」
「愛斗は、もう、安倍さんと…」「は?」
本気できょとんとした愛斗に私の涙が止まる。
「なんでや?ずっとついてきてたんやろ?話聞いとったんちゃうんけ?」
先ほどまでとは打って変わってお口の悪い愛斗。本人もそれに気付いたみたいで、慌てて直した。
「オレ、最初に言ったよ?ガキさんとお付き合いしてますって」



658 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/13(火) 00:08:34.09 0
驚きのあまり声の出ないあたしを無視して、愛斗は続ける
「やっぱりぃって言うてたで。嬉しそうやったわ。
 最近ガキさんがあんま連絡してこんから、店に来る高校生に聞いたら彼氏が出来たって聞いて」
どんな子か聞こうと思ったら、紹介しますって言われたから楽しみにしてたんやと。
「じゃ、じゃあ、別に気になってたからじゃなくて、あたしの彼氏として逢ってみたかったってこと?」
「ほうやって言ってるやんか」
アタシ馬鹿みたいじゃん。一人でいろいろ…

「なぁなぁ、オレが安倍さんのものになってたら嫌やった?」
ニヤニヤ笑いの愛斗だけど、本心はわかってる。
あたしがあんなことお願いしちゃって、一番傷ついたのは愛斗だもんね…
「嫌。愛斗ホントにごめんね…。」
「ええよ。そんだけ、安倍さんのこと、大事ってことやもんな」
ちょっとショックやったけど。オレの気持ちは変わらんし。ガキさんがおらんと嫌やもん…
さらっと優しい言葉を言える愛斗…この子将来どうなるんだろう…

「はい」
愛斗はずいっと右の頬を私に差し出した。なに?
「ガキさん、ファーストちゅーは安倍さんのほっぺやったんやろ?」
とっても悔しそうな愛斗。なに?安倍さんとそんなことまで話したの?
私は愛斗の頭を撫でて引き寄せるとほっぺに一回、唇に一回のキスを落とした。

安倍さんと愛斗を取り合うことになったら、もう迷わず、いや迷っても愛斗を取るだろう
相手なしじゃ生きれないのは、むしろあたしの方みたいだよ、愛斗。

| 愛斗+安倍さん | 02:00 │Comment- | Trackback-│編集

(2)577-582

577 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/12(月) 20:06:03.46 0
 
「ガキさん」
「……」
「ガキさんってば!!」
「…え?な、なに?呼んだ?」
「もうさっきからずっと呼んでんだけど」

今日の里沙はどこかおかしい。
学校から帰ってきてから、ずっとこんな調子だ。
愛斗が呼んでも気づかないくらいに。

「なんか、変だよ」
「そっ…そーかな。…ふ、普通だよ?」
「絶対変。なんか隠してる?」
「べ、別に隠してなんか…」
「隠してんだろ」
「な、なにもないってば…」

やっぱりおかしい。おかしすぎる。
しかし、理由を聞いても里沙は教えてくれない。
何もないと言っておきながら、さっきからずっと「でもなぁ…」とか「いや、やっぱり…」
などと独り言を言っている。
当然、愛斗が気にならない訳がない。


578 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/12(月) 20:06:32.82 0
 
「俺に言えない事かよ」
「なっ…別にそういう…訳じゃない、けど…」
「じゃあなんで隠すの?」
「そ、それは…」
「ほら、やっぱり言えないんじゃん」
「違っ…わ、わかった話すから!…そんな怒んないでよ」

そういうと里沙は観念したように話し出した。

「…あのね。こ、告白されたの、あたし」
「はぁ!?だ、誰に?」
「1年生だった…名前までは分かんない…」
「…で?どうしたの?」
「あ、や…す、すぐ断ろうとしたんだけどね、なんか走って行っちゃって…」
「…じゃ断ってないんだ?」
「……うん」

なんてことだ。愛斗はショックを受ける。
告白されたことにもショックだが、どこか少し嬉しそうな里沙の様子に愛斗は気が気でない。

「こ、断らない…の?そいつ」
「それは…ちゃんと断るよ?そのままって訳にもいかないし…」
「…いつ?」
「いつって言われても…名前も分かんないんだし。探すしかないかぁ…」
「お、俺も行く!」
「えぇ?い、いいよ来なくて」
「ヤダ。絶対俺も行く」
「なんでよぉ。別に平気だよ?一人でも」
「そういう問題じゃない」


579 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/12(月) 20:06:59.57 0
 
どうゆう問題よぉ、と里沙は笑っているが、愛斗に笑う余裕はない。
大問題だ。愛斗の中で危険信号がピカピカと光っている。

会ったらガツンと言ってやるか。
いや、出来ない。もし怖い人だったらどうしよう。
情けない愛斗は見たこともない相手に怯える。

「とっ、とにかくさぁ。行くよ、一緒に」
「平気だってば。断るだけだもん」
「し、心配だから…」

自分で言っておいて顔が真っ赤になる愛斗。
それを見た里沙はとても満足そうだ。こういう愛斗はいつみてもかわいい。
そんな里沙などお構いなしに、愛斗の不安は募るばかりだ。

「…どんなヤツだった?」
「んー。背の高い子」
「ほ、他には?」
「野球部なのかな、坊主で、ガッシリしてたよ」
「そ、そう」

それを聞いた愛斗は、不安を通り越し落ち込んでしまった。
俯いて、里沙の顔すら見れない。


580 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/12(月) 20:07:33.10 0
 
「…なにヘコんでんのよ」
「だって…」
「断るって言ってるでしょーが」
「気が変わるかもしんないじゃん」
「ないない。そんな事ありえないから」
「分かんないよ、そんなの」

すっかりイジけてしまった愛斗に、里沙は困った表情を浮かべたがすぐに笑顔になった。
隣に座り、愛斗の肩に頭を乗せ腕を絡ませる。

「変なの」
「なんでだよ」
「愛斗のがたくさん告白されてるのに」
「それとこれとは話が違う」
「同じだよ。…それに、愛斗以外の人好きになれないから」
「ウソだぁ」
「もぉ。そんな心配しなくても大丈夫だってば」

隣で嬉しそうに笑う里沙を見ても、愛斗の不安は消えない。それどころか増す一方だ。
人の心なんて分からない。今だって、里沙の心の中が見えないのに。

「ちょっ…愛斗っ…」

愛斗は里沙を抱き締めると、乱暴にキスをした。
腕に力を入れて逃げられないように。
気が済むまでキスをして顔を離すと、急に恥ずかしさがこみ上げてきた。

「…乱暴すぎぃ」
「……ごめん」


581 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/12(月) 20:08:15.85 0
 
ちょっと怒ったような顔で睨んでくる里沙。
さすがにやりすぎたと思った愛斗は素直に謝った。
一体今日だけで何度俯けばいいのだろうか。

「でも嬉しいよ。ありがと」
「…ガキさん」
「ん?」
「断るんだよね…そいつのこと」
「もぉ。断るって言ってるじゃん。あたし、愛斗のものなんでしょ?」
「う、うん…俺の…」
「じゃあ愛斗以外の人のものになったらダメじゃん」
「そう、だよね。…はぁ、なんか俺めっちゃ情けない」
「ほんとだよ。しっかりしてよねぇ」
「ごめん…」

情けない自分に心底落ち込んでいると、里沙に抱き締められた。
さっき自分がしたような乱暴な感じではなく、とても優しい感じで。



582 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/12(月) 20:08:36.87 0
 
「元気出してよ」
「うん…」
「あたしが好きなのは、愛斗なんですけど」
「俺もガキさんが好き…」
「じゃあ不安になる必要なんてないでしょ?」
「でも…」
「でもじゃないから。ありえないからそんなの」
「…じゃキスしてよ」
「うえぇ?なによいきなり」
「キスしてくんなきゃ信じらんない」
「…ったくもぉ。…一回だけだからね?」
「やだ。俺の気が済むまで」
「なんでよぉ」
「俺を不安にさせた罰だもん」
「…はいはい、分かりました」


―おしまい―

| 愛斗×ガキさん | 01:58 │Comment- | Trackback-│編集

(2) 558-562

558 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/12(月) 14:25:22.45 0
「おはよー愛理ちゃん。」
集合場所に30分も前に着いたのにそこには既に新垣さんがいた。
普段愛斗サマ愛斗サマ言ってるみややまぁさも誘ったのに、来てくれなかった理由は少なからずこの先輩にある。
「おはようございます。先輩早いんですね。」
「ああ、なぁんか楽しみで。でもお友達来れなくて残念だったね。」

誰もが憧れる愛斗先輩の彼女。とっても素敵な、気配りの出来る人。
最初はちょっと、ううん、すんごく嫉妬してた。でも今は違う感情が私の中にある。
愛斗先輩のこと、諦めれたわけじゃないけど、新垣先輩の隣にいる愛斗先輩が好きなのかもしれない。
だから、決めたんだ―今日で先輩への想い、断ち切るんだって。

しばらくして、愛斗先輩、そしてだいぶ遅れて亀井先輩が来た。
「もー、かぇめー遅いから!」
そう言って、新垣先輩は亀井先輩の手を取って進み始めた。

「なんやぁ、ガキさんは相変わらずせっかちやの。置いてかれるな、愛理ちゃん走ろ!」
あの時みたいに自然と愛斗先輩の手は私の右手を掴んで走り始めた。
胸が、キュンて音を立てる。


559 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/12(月) 14:26:04.84 0


面白い亀井先輩と、優しい新垣先輩、そしてカッコいい愛斗先輩。
三人は私を祝うために、割り勘でお金を全部出してくれた。

本当に楽しいひと時。そして、別れの前にパレードの時間が来た。
「迷子になっても、パレードが終わるまでは探さないことにしよう。どっちみち人が多くて探せないし」
しっかり者の新垣先輩が予言していた通り、みんなばらばらになってしまった。
あ、なんかクラクラする。人に酔った?昨日楽しみで眠れなかったから?


「だいじょぶ?愛理ちゃん?」
気がつくと、パレードの喧騒から離れた芝生の上に寝かされていた。
頭は、愛斗先輩の膝の上…え?愛斗先輩!!
「す、すみません!!」
「あ、ええよええよ。もちょっと寝とき」
誰もパレードに夢中で見てえんから、恥ずかしくないで?
先輩は私の顔が真っ赤な理由を恥ずかしさと捉えたらしい。自分の中で何かが、動いた。

「先輩」「ん?」
「…好きです」

時間が止まった気がした。自分は何を言ってしまってるんだろう。
何も言わず、心にカギをかけてしまえば、こうやってまた、遊びにこれるかもしれないのに。
大好きな新垣先輩の顔が浮かんでは消える。
それでも隠し切れなかった。ホントのじぶんを。

560 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/12(月) 14:26:27.44 0

「ごめんな…」
「ごめん。ずっと気付かんくて。そんな風に想ってくれてたなんて、オレ知らなかった」
本当に苦しそうな顔をする先輩。この次の言葉、わかってる。
「オレ、ガキさんのことが好き…なんよ」
改めて言って貰えて、なんだか嬉しくなった。
先輩に想いがある人はいっぱいいて、こうやって告白もいっぱいあるだろうに、
この人はこんなに不器用に、そして真剣に考えて私を振ろうとしている。

私の初恋…この人で、良かった

「先輩。大好きです。でも、新垣先輩の横にいる先輩のことが一番好きみたいです。」
「愛理ちゃん…」
「そんな顔、しないで下さい。真剣に考えてくれて嬉しかったです」

パレードの終わりの花火が上がった。
私は起き上がり、自分から愛斗先輩の右手を攫った。
「そんな顔してたら、新垣先輩が不安になっちゃいます。笑ってください、先輩。」

私は、先輩の笑顔が、好きだったから…ずっと笑ってて下さい…



561 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/12(月) 14:27:02.11 0
~~~~~~~~

「ガキさん、良かったんですか?二人っきりになんかしちゃって」
「良いの!あの子は、良いの!」
自信とか、そんなのじゃない。ホントは不安だよ?愛斗があの子のものになったらって。
でも、愛理ちゃんのまっすぐな眼差しを見たら、今日がどんな日なのか、否が応でも分った。
同じ愛斗に惚れたものとして、通じるものがあったのかもしれない。

「新垣先輩、亀井先輩!」
なんか泣きそうな愛斗の手を取って愛理ちゃんが走ってきた。
「先輩、最後に新垣先輩となんか乗りたいみたいですよぉ」
「まったくー愛斗先輩、ガキさんのことホントに好きなんだから~」
「ちょ、カメやめなさい。」

絵里、愛理ちゃんとお土産選んじゃいますからねー、なんて愛斗と二人そこに残された。
「…愛斗。あんた、愛理ちゃんに告られたでしょ?」
愛斗はビクゥっと動いた。バレバレ。
「ちゃんと、言えたの?」
「…わからんけど、ガキさんが好きって伝えた」
まったく、もっと上手くいえないもんか。でも心のどっかでは、それを喜ぶ自分がいる。


562 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/12(月) 14:27:38.99 0

「あんたが悲しむことじゃないでしょーが。フッた相手に気を使わせるなんて、愛斗らしけど…」
「うああ…ごめん」
しょんぼりする愛斗の左手を取って、歩き出す。
ここは私の庭みたいなもんだから、誰もいないとこなんて、すぐわかる。
もう、何か乗るのには遅いし、かといって今二人に合流するのはおかしい。

私はそこで、愛斗の唇を攫ってやったし、愛斗にも攫われた。
どうやら余裕がなかったのは、私も同じだったらしい。

自分で仕向けた愛理ちゃんでこれなら、もっとすごい誘惑をしてくる人がいたら、あたしどうなるんだろう。
愛斗のこと、信じてるけど、結構取り乱しちゃうかもな…
愛斗の胸の温もりの中でそんなことをぼーっと考えた。

| 愛斗×愛理 | 01:56 │Comment- | Trackback-│編集

(2) 549-550

549 名前:05001030660001_ag[] 投稿日:2008/05/12(月) 12:36:24.29 O
保健室2

ガラガラッー
「先生、なんかようですかー」
「おぅ、なんや喉痛めてるらしいやん」
「はい、応援団の練習で」
「喉ぬ~る、つけたるさかいここ座り」
「あ、ありがとうございます」
「(よし、今度こそその唇もろーたる)」

シャッー(カーテンがあく)

「ちょっとまったー」
「な、なんや吉澤腹痛くて寝とったんとたちゃうんかー」「先生こそ何しようとしてるんすかーぬけがけすんなよー」
「そもそもお前、男やろー」



550 名前:05001030660001_ag[] 投稿日:2008/05/12(月) 12:40:47.46 O

ヒョコ

「あ、カメちゃん」
「愛斗先輩、エリ保健委員なんで~エリがぬってあげます」
「ホンマ、ならたのむは」
「(ウヘヘヘ~)」

《コラー亀井!》

「げ、見つかった」

ギャー、ギャー、ギャー

「なんやの薬ひとつぬるぐらいで、そうだガキさんにぬってもらお~と失礼しました」

ガラガラッー

「・・・・」
「・・・・」
「・・・・」


おわり

すいませんはちゃめちゃで

| その他 | 01:54 │Comment- | Trackback-│編集

(2) 499-501

499 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/11(日) 23:39:07.61 0
「え?絵のモデル?」
「うん、なんか愛斗が良いんだって。」
オレがそう聞き返したのは無理もない。
中等部にめちゃくちゃ絵の上手い子がいるとは聞いてたけど、
その子がオレを次の展覧会のモデルにしたいらしい。

ガキさんを通してお願いしてくるなんて、なかなか勇気のある子だ。
結構怖がられてるからな。二人の時は可愛いんだけど。
ガキさんのこと考えてうっかり思い出し笑いしちゃったのが、肯定と取られたらしくオレは正式にモデルになった。

中等部を歩くと、みんながオレを見て道を開けてくれる。
あと、ピロロローンって写メールの音。
いつもこうだ。オレってそんなに面白いのかな。面白いことは言えないけど。

美術室を開けると、そこにはふんわりと笑う少女がいた。
「鈴木愛理と申します。ほんとうに来て下さったんですね~感激ぃ!」
愛理ちゃんはなんか見たことある漫画だけど素人の人が書いたみたいな絵の、薄い本を隠すと
描きかけのキャンバスを連れて来た。

「わぁ!すっげ!これ、応援団?」
「ハイ。あのー私ずっとここの窓から見てたんです。先輩の頑張ってる姿。
 そしたら、どうしても絵にしたくなっちゃって。」

そうなんだ。なんか嬉しいな。こんな形でオレたちの頑張りが認められて。
愛理ちゃんは、静かにキャンバスの前に立つと、木炭を手にした。
なんか、ほんわかしてた空気が精錬されたものに変わるのを、感じる。

500 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/11(日) 23:39:36.42 0
「えっとー、オレは何したらいい?」
「脱いでください!」
「へ?」
「早く!」
言われるままに、上半身裸になっていろんなポーズをさせられた。
オレも少しずつ乗ってきて、すっごい汗だくになった。

「本当にありがとうございました!!」
頭の上に結んだ髪ががっさり動くほど、その子はきっちり礼をした。
「いやいや。オレも楽しかったし。出来たら見せてね?」
「はい!!約束します…それで…あの…」

「もし、コンクール、優秀賞貰えたら、一緒に遊園地行ってくれませんか?」
「ん?あ、えーよ」
「ホントですか?」
「えと、多いほうがええやろ?オレの方はガキさんとーかめーちゃんとー」
「…あ、あの」
「うん、まーいっぱい呼ぶな!絶対出来る!愛理の絵凄いもん!!」


なんだか不安そうな顔をしていたから、オレは愛理ちゃんの右手をギュって握り締めた。
気持ちが伝わったみたいで、愛理ちゃんは顔を真っ赤にしながら頷いてくれた。


501 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/11(日) 23:40:01.69 0



そして、コンクール当日。
優秀賞の欄に彼女の名前はなかった。


最優秀賞 波浪中学 鈴木愛理 『なによりの応援』



愛斗先輩…
今は、まだ、女の子にしか見てもらえないのかもしれない。
けど先輩。いつか私、あなたを振り向かせるような、素敵な女性になりますから。
待っててくださいね。


| 愛斗×愛理 | 01:53 │Comment- | Trackback-│編集

(2) 464

464 名前:05001030660001_ag[] 投稿日:2008/05/11(日) 17:23:55.83 O
公園

「な~さゆみちゃんオレと付き合ってくれよ~」
「無理なの、あなたみたいな不良とは釣合わないの」
「そんな事言わずによ~」
「さゆみは白馬に乗った王子様が迎えに来てくれるの」

「あ~さっきから鏡ばかり見やがって!」
「調子に乗のるな鏡かせ!」
ガバッ
「キャー」
グィ
「イッテテテー、誰だ」
「女の子に手上げるなんて最低だな」
「お、お前は〇〇高校応援団長の愛斗」
「この場からさるか、それともオレと遊んでいくか~」
「クソ!覚えておけよー」
「フゥ~大丈夫?」
「・・・・・」
「キミ、可愛いんだからあんまり毒吐かないで可愛いくしてた方がいいよ、じゃあね」
「お、王子様・・・」

おわり

ゴメン、なんか古くさい感じになっちゃった

| 愛斗×さゆ | 01:48 │Comment- | Trackback-│編集

(2) 448-449

448 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/11(日) 15:42:32.48 0
日曜の昼下がり。
TSUNKUYAの帰りに団地の下を通っていたら、

「すんませーん、取ってくださいませんか~?」
と、上から声が聞こえた。
目の前を見ると小さなタオル。上を見れば女の人が手を振ってる。

「5階ー408~」
明るい声で告げられ、なんでや、と思ったけど黙ってその部屋に向かった。

~~~~~~~~
「ありがとうな~」
【平家】と書かれた表札のドア前で物だけ渡して帰るつもりだったのに、
その女の人はオレを強引に部屋に招き入れた。
オレ早くこのCDインポートしてぇのに。
そう思ったけど、出てきたお菓子とか上手くてついつい長居してしまった。

へーけさんはなんか暑いらしくて、襟を掴んでパタパタパタパタしている。
クーラーつけりゃええのに。あ、温暖化対策かな。ええ人やな。


449 名前:名無し募集中。。。[] 投稿日:2008/05/11(日) 15:43:00.23 0
「じゃあ、オレそろそろ帰りますね」
「えー愛斗くん、もう少しええやん。」
「やー。たかだかタオル拾ったくらいでこれ以上してもらったら悪いですし。」

へーけさんはオレの髪に手を差し込むと、耳元で囁いた
「旦那、今日帰ってこんのよ」

近くに女の人がきたからドキドキしたけど、言葉の意味がわからなかった。
「戸締り、しっかりしてくださいね!!」
オレがそう言うと、へーけさんはぽかーんとした後、大笑いし始めた。
「愛斗クンむっちゃ可愛いなぁ」
「え?ありがとうございます」

またきてな。絶対やで。そう言われ団地から出たらもう夕方だった。
あんなに食べ散らかして良かったのかな。
きっと旦那さんがいなくて不安なんだろうと思って、何かあったら電話して下さいってケータイ教えておいた。
なんだか、嬉しそうな顔してくれて、こっちまで嬉しくなった。


に、しても…あんなスケスケの三角タオル、何に使うんだろう?

| 愛斗×平家 | 01:47 │Comment- | Trackback-│編集

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イケメン・タカスレの小説まとめです
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